だいたい言葉から意味はわかります。「決まった面積の中に何株栽培するか」という目安ですよね。
でも、これは、株間、条間とは違うものなんでしょうか?
株間と、条間がわかればその畝あたりの密度は分かると思います。
「栽植密度」について教えてください。
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
トマト農家の人は「栽植密度」という言葉はけっこう使います。
それぞれの農家さんは、いろいろな苗の植え付けの方法をとっており、株間、条間だけでは、基準をつくれないからです。
栽植密度の考え方を知ると、家庭菜園でトマトを栽培する方も、役立つと思いますので、読んでみてください。
今回は、栽植密度について解説します。
トマト栽培で使う栽植密度って何ですか?
栽植密度の数字を出すときに大事なのは、なんといっても、分母となる面積です。
この面積を共通のものにしないと、情報の共有ができませんからね。
基本的に、10a(1反)あたりの栽植株数です。
トマトの栽植密度は、特に分母の指定をしない場合は、10a(1反)あたりの栽植株数を指します。
10a = 1反
となります。
栽植密度の他にも、施肥量や、収穫量を表す時の基準の数字と単位となります。
10a(1反)以外の分母を使用する場合
1坪(3.3㎡)あたり
家庭菜園でトマトを栽培する時に利用される事が多いです。
さすがに家庭菜園だと、10aは広すぎますから。
1㎡あたり
海外のトマトの栽培では、こちらの単位のほうが良く使われるかもしれません。
最近は、栽植密度と共に、栽培面積あたりの葉の面積の量も、栽培時の指標に使用される事が多いです。
LAI(Leaf Area Index・葉面積指数)が、その単位として利用されますが、
葉数(枚)× 葉 1 枚の面積(m²/枚)× 栽植密度(茎 本数/m²)= LAI(推定)
となり、1㎡あたりの株数(茎本数)が使用されます。
栽植密度の決まり方
株間、条間、畝幅、通路幅によって栽植密度が決まります。
株間と条間の設定はもちろんで、通路の幅の設定によっても栽植密度に大きく影響します。
栽培に影響のない範囲で、通路を狭くしたほうが、栽植密度は上がりますが、栽培管理や収穫などの作業性は落ちやすくなります。
また、同じ面積の栽培でも、複数のハウス等の施設使用するより、1つのハウスを利用するようが、全体の通路は少なくなり、効率的な栽植につながります。
トマトの栽植密度の目安
では、実際の現場の栽培では、どの程度が栽植密度の目安になるのでしょうか?
2,500株が目安です。
10a(1,000㎡)あたり、2,500株が目安となります。
シミュレーションとして、実際に使用されるハウスの規格に合わせてシミュレーションしてみます。
このサイズのハウスを5棟設置して、1,000㎡の栽培面積とします。
条間:40cm
畝幅:100cm
通路幅:60cm
を栽植方法とすると、
1ハウスに3畝:510株
5ハウスで:2,550株
となります。
栽植密度を上げる際は、株間と条間での調整が基本
例えば、今回解説したハウス等の規格で、栽植密度をあげる(栽培本数を増やす)場合は、株間を狭くする方法が良いです。
畝数を増やすと、通路幅は狭まり栽培管理や、収穫作業がかなり行いにくくなります。
栽培様式、栽培条件と栽植密度
気象の条件により、夏期は栽植密度を上げやすく、冬期は低くした方が栽培が安定します。
また、低段密植方法や、高糖度栽培では栽植密度を上げて、収量を確保する方法がよくとられます。
特に、低段密植の方法は、6,000〜8,000株/10aで栽培する事もあります。
株間、条間、畝幅、通路幅の設定はこちらの記事も参考にしてください。
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以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
happy tomating!!