同じ方法で管理しても大丈夫でしょうか?
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
大玉トマト品種とミニトマトの育苗は、使用する資材や、培土など、ほとんど同じ方法で行う事ができますが、ミニトマトの品種の特性に合わせると、より良い育苗管理ができます。
今回は、ミニトマトと大玉トマトの特性の違いを解説しながら、ミニトマトの育苗のコツを紹介します。
ミニトマトと大玉品種の育苗の違い
ミニトマトと大玉トマトには、いろいろな違いがありますが、育苗に関係する点はどのようなものになるでしょうか?
ミニトマトは大玉トマトよりも原種にちかい
果実の特性をみると、ミニトマトは大玉トマトよりも原種の姿に近い事がわかります。
見た目だけでなく、生育の特性も原種に近いのです。
原種の自生地は南米で、夜間の最低気温は、日本で栽培される条件より高い事が多いです。
この事も関係して、ミニトマトの育苗の温度管理は、特に最低気温を高めにするとスムーズな生育をします。
ミニトマトと大玉トマトの大きな違いは子室数の違い
ミニトマトは特性として、子室数が少ないです。
花芽分化時の条件で、子室数が多くなる場合でも最大3室となるため、大玉トマトのように子室数が多くなりすぎて、乱形果の発生につながるという事がないです。
ミニトマトの育苗管理のコツ
ミニトマトと、大玉トマトの違いが分かったところで、実際の育苗管理を行う際に、気をつけたほうが良い点について解説します。
ミニトマトの育苗は高い温度管理が必要
ミニトマトと大玉トマトを、同じ環境で育苗をしていて、簡単に違いを見つけやすいのは、セルトレイを利用する1次育苗の時期です。
しっかりと最低気温を確保している環境であれば、それほど差が出ないのですが、低めの温度で管理している際は、子葉や本葉の裏が赤紫色になります。
これは、その品種に対して最低気温の管理が低い場合に、出やすい症状です。
もし、同じ条件で大玉トマトも管理している場合、こちらには、赤紫色の発生の程度は少ないはずです。
この赤紫色の正体は、アントシアニンで、トマトに対して適切ではない条件になった時に発生しやすいです。
このような状態になると、生育は少々滞りますが、生育が進み、最低温度を高くなると改善されます。
トマトの葉の裏へのアントシアニンの発生は、低温の条件で、リン酸の吸収効率が悪くなることも関係すると考えられており、リン酸を含んだ肥料を葉面散布や、液肥で施す事で改善の効果がでます。
また、1次育苗の時期は、1段目花房の着生位置が決まる時期です。
ミニトマトは大玉トマトよりも、低温の影響が受けやすく低い位置(6枚上)に、1段目花房の着生しやすいため、7〜8枚上に揃えたい時は、最低気温を高めに管理する必要があります。
トマトの育苗管理は、こちらの記事も参考にしてください。
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トマト農家歴3年のものです。約20aのパイプハウスで、5,000株程度の株数のトマトを栽培しているのですが、苗を業者から購入するとコストがけっこうかかるので、自分で種まきから育苗を行い、自家苗を利用しています。育苗するそ[…]
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
happy tomating!!