今後、自分で種まきをして、自家育苗の苗を使用して行く予定です。
ハウスなど本圃に定植してからの、トマトの温度管理の解説はけっこういっぱいあるのですが、育苗時の温度管理についての内容が、あまり見つかりません。
育苗管理を行う時の、温度管理について知りたいです。
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
育苗時の温度は、その後のトマトの生育に大きく関係するため、重要な管理となります。
どのように関係するのか?実際、目安とする温度はどの程度なのか?
今回は、トマトの育苗時の温度管理について解説します。
トマトの育苗温度の重要性
育苗時の温度管理は、管理している苗質(大きさや、充実度)に影響を与えるのは、もちろんですが、それ以外にも大きく関係するものがあります。
1段目の花房の着生位置
発芽後の、子葉展開時から本葉2枚展開期までの温度管理が、1段目花房の着生位置に影響すると言われています。
1段目花房は、本葉7〜8枚目につくのが管理のしやすく、この状態を狙って管理します。
着生位置に関係する要素は、温度の条件以外にも、同じ期間の日長時間、培地の肥料濃度も関係するため、色々な要素を合わせて考える必要がありますが、温度は、
子葉展開時から本葉2枚展開期の期間で、
最低気温が
14℃以下:7枚から下につきやすい
という内容が、目安になります。
育苗時の温度管理は、3段目までの果実の生育に影響を与える。
トマトの育苗期間(1段目花房開花)内の温度管理は、定植後に開花、結実する3段目までの、果実の要素づくりに関係します。
苗のステージと、影響を与える段数の目安は以下のとおりです。
本葉5〜8枚:2段目
本葉8〜11枚:3段目
この時期から、この時期までが、1段目。
というように、きっちり期間と対象の段数が決まっているのではなく、連続的に決まります。
温度以外にも、苗の生育状況や、肥培管理によっても、将来の果実に与える影響は変わります。
育苗する際の、最低気温を10℃以上を保っている場合は、対象の果実への乱形果、チャック、窓あき果の発生は軽減されやすいです。
トマトの育苗温度の目安
では、生産の現場で育苗を行う場合の、温度管理の目安を紹介します。
今回は、春の時期の育苗を例として解説します。
苗のステージに合わせて、管理する最低気温を下げていく
苗を植える本圃の環境が、最低気温で10℃以上になる時期に、育苗を終了して(定植できるステージの苗にする)、栽培を開始するのが、一般的です。
定植後にスムーズに、根が活着して順調な生育をスタートするには、育苗の環境と本圃に大きな環境の差がないことが理想的なため、育苗の後半は、本圃の環境に近い温度条件で管理する事が重要です。
1次育苗温度管理
上の図では、播種から移植の「1次育苗」と、移植から定植までの「2次育苗」に分けていますが、温度管理はつなげて考えてもらってOKです。
日中の温度管理は、25前後でOKです。
最低気温ですが、発芽後は15℃程度に下げ、あとは定植期に10℃程度になるように、ステージに合わせて下げているというイメージです。
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
happy tomating!!