この前、知り合いに、葉にかける「葉面散布剤」という肥料がある事を、教えてもらってさらにびっくりしました。
もうこうなってくると、何がなんだか分からなくなってきます。
トマトの栽培をする時の、肥料選びってどのようにすれば良いのでしょうか?
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
トマト栽培に限らず、肥料って何だか範囲が大きく、種類も多く、勉強するのって大変ですよね。
僕は、必要最低限の元肥をベースに、追肥でガンガン追い込む、肥料のやり方が好きです。
ただ、それぞれの人の環境や、好みによっていろいろな方法が行えます。
今回は、トマト栽培で使用される肥料には、どのような種類があって、それぞれの特徴について紹介します。
トマトの栽培で使う肥料の種類と特徴【有機肥料と化成肥料】
肥料の種類を大きく2つに分けると、有機肥料と化成肥料があります。
自分の目的にあった肥料の利用ができるように、それぞれの特徴について知りましょう。
有機肥料
代表的な有機肥料は、堆肥かもしれませんが、粒状の肥料や液体の肥料にも、有機肥料のものがあります。
種類によりますが、有機JASの栽培にも利用できます。
有機肥料の特徴は
- 肥料の効果が出る期間(肥効)が長い
- 土の中の微生物の動きが良くなる
・肥料の効果が出る期間(肥効)が長い
トマト(他の植物も含めて)は、有機肥料を施しても、その肥料のほとんどが無機態に分解されてから吸収します。
有機肥料が施された後は、トマトが利用できる無機態の肥料になるまでは、ある程度の時間がかかるため、肥料の効果が出る時間が長くなります。
有機肥料をトマト栽培に使用すると、美味しいトマトが収穫できるように、イメージする方もいるかもしれませんが、必ずしもそうでありません。
有機の状態から、植物が利用できる無機の状態になるまでには、一定の時間が必要となり、ゆっくりと少しづつ肥料の効果が現れ、肥料の効き過ぎが押さえられ、トマトの食味を上げる事はあります。
という事は、化成肥料を使用する場合でも、このように、ゆっくり肥料が効く与え方を行えば、有機肥料と同じ効果が得られます。
・土の中の微生物の動きが良くなる
有機肥料が土壌の中に施されると、土壌中の微生物により無機質の肥料へと分解されます。
その中で、微生物の働きが良くなり、また、増える事にもつながり、土作りにもつながります。
化成肥料
化学肥料とも呼ばれます。種類が多く、肥料の効果も早く、安定して出るため、多くの生産者が使用しています。
化成肥料の特徴は
- 種類が多い
- 肥料の効果が早く、安定して出る
・種類が多い
単肥と呼ばれる、1つの要素を持つ肥料や、いろいろな要素を持つ複合肥料があり、配合量や組み合わせの数が多く、たくさんの種類がある。
・肥料の効果が早く、安定して出る
すでに、無機態の状態となっているため、施肥後、効果がでるまでの時間が早い。
肥料の中に含まれている、各要素の割合などが数字ではっきり決まっているため、与える量を計算しやすく、再現性も高い。
トマト栽培でメインになる肥料は4種類
有機肥料と化成肥料をさらに分けて分類すると、それぞれ3種類に分かれます。
有機肥料は(堆肥、粒状肥料、液体肥料)
化成肥料は(粒状肥料、液体肥料、葉面散布肥料)
です。
堆肥
牛糞や鶏糞の家畜糞尿と、稲ワラなどの有機質を合わせて、完熟させてものが、代表的な堆肥です。
チッソ、リン酸、カリなどの肥料分と、微量要素も堆肥を使用する事で施すことが出来ます。
土作りにも効果があり、土壌内の微生物の働きも良くなるため、連作障害の対策に有効です。
堆肥のみで、トマトの栽培期間中の全ての、必要な肥料分を供給するのは、難しいです。
そのため、元肥として堆肥と、粒状肥料を使用し、栽培後半から、必要に応じて追肥を行います。
粒状肥料
粒状で、散布しやすいため、植え付け前の土壌に施す「元肥」として最も多く使われる種類です。
追肥にも使用する事ができ、トマト栽培では、定植畝に施肥用の穴を作って、その中に肥料を施す穴肥えの方法に使用されます。
液体肥料
灌水する水に希釈して利用します。
倍率によって肥料の濃度を変える事ができ、使用するトマトの生育ステージに合わせた追肥がしやすいです。
追肥後の効果の発揮が早く、即効性があります。
元肥が施されている畑に、栽培されている場合で、低温や、苗の植え痛み等で苗の生育が悪い時、液肥の灌水を行ったりとピンポイントで追肥したい時にも役立ちます。
灌水チューブなどの、灌水資材が設置してある環境では、灌水管理を同時に追肥が行えるため、追肥作業の省力化にもつながります。
葉面散布肥料
専用の肥料を希釈して、茎葉に散布して利用する肥料
チッソ主体の生育促進を目的にしたものや、カルシウム主体の尻腐れ果の予防を目的にしたものもあります。
作業の効率化のために、殺菌剤、殺虫剤の薬剤散布時に、葉面散布剤も加える場合もあります。
肥料の効きは、補助的なもので、粒状、液体肥料ほどの効果はでにくいです。
「トマトが変わる!」オススメの肥料
トマトの肥料には、多くの種類があり、自分好みの肥料を見つける事は、難しいかもしれません。
ちょっと個人的な好みも入りますが、とまと家の僕が、オススメの肥料を紹介します。
選ぶポイントは、使用後にトマトが変わる(もちろん良い方に)事です。
少々、話変わりますが、以前、発売後に大ヒットを記録した、ゴルフのドライバー(クラブ)がありました。
そのドライバーの特徴は、玉を打った時に「音」が良い。
というものです。
打った時に音が良いので、たくさん距離がでなくても、少々曲がって飛んでも、使用している人は満足しちゃうというものです。
今回のオススメの液肥選びは、ちょっとそのような、選び方かもしれませんが、トマトが変わるという事は効果ででていますので、参考にしてください。
トマト「元気液肥」がオススメ
タキイ種苗から販売されている液体肥料
この肥料、実はチッソ成分が含まれておらず、
リン酸、カリを中心に、アミノ酸、微量要素で成分が形成されています。
(チッソ0% リンサン5.5% カリ8.0% 、微量要素(ホウ酸、マンガン、亜鉛など))
オススメの使い方は、チッソが含まれている肥料を与えても、期待しているくらいにトマトの生育に、勢いがつかなかった時です。
例えば、最初の収穫が始まる前の時期は、けっこう多めに追肥すると思います。
ポイントになるのは、曇天の時で、トマトの生育的には、追肥したいけど、チッソが含まれている肥料を使いすぎると、未消化チッソがダブついてしまうという状況になります。
そんな時は、「元気液肥」です。
チッソが含まれていないので、天候の悪い日の使用でも、ダブつきがおこりません。
そして、元気液肥で追肥した、翌日にトマトを見ると、特に成長点が太く、しっかり動いているのを確認できると思います。
「いままで、チッソを含む肥料で続けてやったけど、あまり生長点が動かなかった…」
「元気液肥を与えると、今まで動かなかった分が、一気に動いた!」
それまで、うまく効いていなかったチッソが、この追肥をきっかけにトマトに利用された。ような効き方をします。
もちろん、チッソを含む肥料を与えた時には、しっかりトマトに効果が出ているかもしれませんが、この「元気液肥」の使用は、はっきりと目に見える形が変化が確認できますので、何だか安心します。
自分の栽培管理に自信がなくなりそうな時は、ぜひこの肥料を使用してみてください。
商品詳細はこちらをごらんください。
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。