先輩農家の人と、ミニトマトの話をした時に「キャロルセブン」という品種の話になりました。
今では、この品種を栽培する人が少ないそうですが、昔はとても人気のあるだったそうで、何だかとても興味があります。
まだ、種や苗が購入できるのであれば、少しだけでも栽培したいなと思っています。
キャロルセブンについて教えて欲しいです。
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
僕も過去に、キャロルセブンの栽培をしたことがあります。
確かに、現在でもキャロルセブンを栽培している農家さんは、少ないと思います。
でも、キャロルセブンは伝説の品種です。
爆発的な収量と、食味と、独特の草姿は、今でも忘れる事ができません。
今でも、キャロルセブンの種の扱いのある、サイト等もありますので、みなさんも機会があればぜひ、栽培にチャレンジしてください。
今回は、ミニトマト「キャロルセブン」の品種の特性や、収量アップのコツについて解説します。
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ミニトマト「キャロルセブン」の特徴
現在、国内のミニトマトので最も多く栽培されている品種は「キャロル10」ではないかと思います。
この品種は、今回紹介する「キャロルセブン」を元に改良されたものです。
2つの品種には、共通するものもありますが、「キャロルセブン」にしかない特徴もあります。
「キャロルセブン」は、伝説のミニトマト品種
現在でも、種の扱いがあるので、伝説の品種というのは、ちょっと抵抗がありますが、現在は、CF-9葉かび病の抵抗性がないため、国内リーディングバラエティ(主に栽培されている品種の事)の座を、後継品種のキャロル10に譲っています。
CF-9の葉かび病の抵抗性が必要とされるまでは、収量の良さ、品質の良さに対す評価の高さにより、多くのミニトマト産地で栽培されていた品種です。
「キャロルセブン」を販売している種苗メーカーは、サカタのタネ
サカタのタネは、神奈川県横浜市に本社をおく種苗メーカーです。
ブロッコリー「ピクセル」、メロンの「プリンスメロン」「アンデスメロン」や、スイートコーンの「ピーターコーン」などの有名な品種も、サカタのタネによって開発販売されています。
「キャロルセブン」は裂果に強い
ミニトマトの栽培の中で、最も多く発生し、収量を減らす原因となる生理障害は、「裂果」です。
今では、裂果に強い品種は、同じサカタのタネのキャロルシリーズや、他のメーカーのミニトマトでも多くありますが、キャロルセブンが多く栽培されていた時は、他の品種よりもぶっちぎりの裂果の強さがありました。
現在、多く栽培されている裂果に強いミニトマトの品種と比べても、同等程度の強さを持ちます
「キャロルセブン」は収量の多い品種
キャロルセブンの最大の特徴は収量性の高さです。
そして、この収量の高さを作るのは、圧倒的な花数の多さです。
多くのミニトマト品種は、1〜3段目の低い段位の花房はシングルで付き、3〜4段目あたりの中段位から、ダブルの花房が付きます。
が、キャロルセブンは1段目から、ダブルの花房が付く事はまったく珍しくなく、場合によっては、ほとんどの株で1段目からダブルの花房となります。
じゃあ、その後の段数の花房はどうなるかというと、ダブル、トリプルを飛び越えて、シャンデリア状の花の付き方となります。
普通トマトの栽培の風景って、緑の中にちらほら花の黄色があるくらいですが、キャロルセブンの栽培風景は花の黄色の中に、葉の緑があります。というような状況になるほどの花数の多さです。
「キャロルセブン」は食味の良い品種
高糖度で適度な酸味という、ミニトマトキャロルシリーズに共通する、食味の出発点となった品種です。
僕個人的な感想は、キャロルセブンの食味が、シリーズの中でも最も良いと思います。
甘くて、酸味もあるというのは、もちろんですが、濃いめのトマトの味でパンチがあります。
最近では、ペットボトルのお茶で「濃い味」シリーズがありますが、キャロルセブンはミニトマトの「濃い味」シリーズです。
また、キャロルセブンで作ったトマトジュースの味がとても良く、今でも上質なジュースを作るために、この品種を栽培する方もいるくらいです。
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「キャロルセブン」は独特の草姿を持つ
キャロルセブンの草って、とても小さくて、存在感があまりないです。
少々、灌水、追肥の管理が多くても、そのままのコンパクトな葉を維持します。
キャロルセブンの株を遠くから見ると、なんだかガイコツのような感じです(変な例えですが)。
これくらいに、葉の大きさと、量で、よくもあんなに多い花を咲かせて、美味しい果実にできるものだなと関心してしまうくらいです。
きっと、キャロルセブンの特別な、メカニズムがあるのだと思います。
ミニトマト「キャロルセブン」の栽培のコツ
多くの農家さんに栽培された歴史があるように、キャロルセブンはとても優れた品種と思います。
この特徴をより生かすための、栽培のコツを紹介します。
葉かび病の防除の徹底
収量、食味の優れた特徴があるにも、関わらず他の品種にリーディングバラエティの座を渡した理由は、葉かび病への強さです。
現在栽培されているトマトにスタンダードとなっている、葉かび病のレースへの抵抗性がありません。
そのため、栽培する際は、薬剤散布などで、病気の防除を行う事が必要となります。
葉かび病についての詳細、対策の方法はこちらの記事も参考にしてください
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積極的な灌水追肥による、草勢の維持
キャロルセブンの最大の特徴は、爆発的な花数の多さです。
着果する数が多くなると、もちろん株への負担が増しますので、積極的な灌水と、追肥の管理を行い十分な草勢を維持する事が大事です。
ミニトマト「キャロルセブン」の種子の購入方法
最近では、一部の野菜の種子を扱うサイトでのみ、販売がされています。
苗での購入は難しいと思いますので、キャロルセブンを栽培する時は、基本的には自分で播種、育苗をする必要があります。
種子での購入方法
楽天サイト
※ペレットとは、種まきしやすいように、丸くコーティングされた種です。普通の裸の種子より種まきしやすいです。
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
Happy tomating!!