プロ向けミニトマト「キャロルパッション」の特徴【キャロル10との使い分けも解説】

質問する人
ミニトマト農家をやっています。
今は、「キャロル10」をメインの品種で栽培しています。
ミニトマトの品種カタログを見ていたら、「キャロルパッション」という品種を発見しました。
キャロルシリーズのミニトマトって、たくさんあるんですね?
今栽培している、キャロル10と名前が似ていますが、どんな所が違うのでしょうか?
ミニトマト品種「キャロルパッション」について、いろいろ教えてください。

 

このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。

 

この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。

 

過去に、いくつかのミニトマトの品種の比較試験を行った事があります。

栽培した品種の中には、キャロル10と、キャロルパッションも含まれていて、2つの品種の生育の仕方等も比較しました。

 

その時の、僕の所見も含めて、今回は、ミニトマト「キャロルパッション」の品種の特性や、収量アップのコツについて解説します。

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ミニトマト「キャロルパッション」の特徴

ミニトマト「キャロルパッション」の特徴

 

「キャロルパッション」は、ミニトマトのキャロルシリーズの一つです。

 

「キャロルパッション」サカタのタネから販売されている、メモリアルな品種

「キャロルパッション」は2012年に、サカタのタネより販売されている、ミニトマトの品種です。

翌年の2013年に創業100年を迎える事もあり、そのときのグループスローガン「PASSION in Seed」が、品種のネーミングに使用されており、サカタのタネは、キャロルパッションを「100周年記念品種」として販売を開始しました。

 

 

「キャロルパッション」は病気に強い

キャロルパッションは、ミニトマトの栽培現場で問題となる、多くの病気にたいする対抗性を持ちます。

特に斑点病の抵抗性を持つ事が、大きな特徴となり、この病気の発生が問題となる産地でも、安定して多収量、高品質のトマトの栽培が可能です。

 

他品種同様に葉かび病への抵抗性を持ち、さらに、斑点病、根腐れ萎凋病にも抵抗性をもちます

 

「キャロルパッション」はつやのある良食味の果実

強いつやを持つ果実となり、外観の見栄えが良い特徴を持ちます。

他のキャロルシリーズの、ミニトマト品種と比べても、強いつやの特徴を確認する事ができます。

 

食味は、キャロルシリーズの、高糖度で酸味のバランスが良い特徴を持ちます。

 

 

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「キャロルパッション」は「ヘタとれ」に強い

果実が完熟状態になってからでも、へたが丈夫でとれにくいため、収穫作業、選果作業が行いやすく、出荷後の流通性も高い特徴を持ちます。

 

 

「キャロルパッション」は栽培性の良い品種

 

同系統のキャロル10と、比べても遜色のない、高い栽培性を持ちます。

 

同じ栽培環境と栽培条件で、「キャロル10」生育と比較すると

 

草勢:キャロルパッションが、やや強い
節間:キャロルパッションが、やや短い
葉の大きさ:キャロルパッションが、やや大きい
花数:キャロルパッションが、やや少ない

 

品種の比較のために、差をつけて解説していますが、2つの品種の生育具合の違いは、パッと見では違いの確認は難しく、だいぶ意識してみないと分からないくらいです。

 

 

ミニトマト「キャロルパッション」の栽培のコツ

ミニトマト「キャロルパッション」の栽培のコツ

 

キャロルパッションを、栽培する品種として導入する際は、まず、「キャロル10」での栽培では、不十分な事があるかどうかを検討するのが良いと思います。

 

「キャロル10」との使い分けの基準

キャロルパッションも、栽培性に優れる品種ですが、キャロル10のほうが、よりこの特徴に優れ、収量を出しやすい事が多いので、特別が理由がない場合はキャロル10の利用がオススメです。

ただ、以下のような場合は、キャロルパッションの方が適する栽培となるため、そのように品種を選定します。

 

  • 斑点病の発生が問題となっている産地
  • 根腐れ萎凋病が問題となっている産地

葉かび病への対策と同様に、抵抗性品種を利用するほうが、容易に防除の対策となるため、上記の条件では、「キャロルパッション」の栽培が向きます。

 

  • 果実のつやが強い果実の特徴が必要

「キャロルパッション」の果実のつやの良さは、ミニトマトの外見の差別化に、非常に役立ちます。

「この果実のつやが、このブランドの特徴です。」という場合は、この品種を選びます。

 

  • キャロル10だと、花数が多すぎる場合

キャロル10は、花数が多くて、収量の出やすい品種ですが、その分収穫作業が増えます。

作業員の人数や、栽培面積などの条件で、もう少し花数が少ない品種が必要なケースもあると思います。

そのような場合は、キャロルパッションの方が向きます(収穫できずに株に実ったままだと、病気の発生や草勢低下のつながってしまします)。

 

栽培管理のコツは灌水、追肥による草勢の維持

キャロル10と比べると、花数は少ないですが、一般的なミニトマトに品種と比べると、多い品種になります。

そのため、その着果の負担に対応できるように、積極的に、灌水と追肥を行い、草勢の維持に務めます。

 

メガネ(異常主茎)は、発生しにくい品種のため、積極的に灌水、追肥の管理を行えます。

 

 

ミニトマト「キャロルパッション」の苗、種子の購入方法

ミニトマト「キャロルパッション」の苗、種子の購入方法

 

ホームセンター等の家庭菜園用の苗の販売コーナーでは、「キャロルパッション」の苗を見つける事は難しいと思います。

ネット通販の場合でも、苗での取り扱いがほとんどないため、キャロルパッションを栽培する時は、基本的には自分で播種、育苗をする必要があります。

 

種子での購入方法

楽天サイト

サカタのタネ トマト キャロルパッション【PRIMAX】1000粒

 

 

以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。

とまと家・中島がお届けしました。

 

Happy tomating!!

 

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