プロ向けミニトマト「キャロルスター」の育て方【収量アップのコツも解説】

質問する人
ミニトマト農家をやっています。
今は、「キャロル10」をメインの品種で栽培しています。
ミニトマトの品種カタログを見ていて気づいたのですが、キャロルシリーズのミニトマトって、いろいろ種類がありますね。
「キャロルスター」という品種は、あまり聞かない名前だったのですが、今栽培している、キャロル10と名前が似ていますが、どんな所が違うのでしょうか?
ミニトマト品種「キャロルスター」について、いろいろ教えてください。

 

このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。

 

この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。

 

過去に、いくつかのミニトマトの品種の比較試験を行った事があります。

 

僕も昔、ミニトマトのキャロルシリーズの違いが気になって、比較の試験栽培も行った事があります。

 

その時の、僕の所見も含めて、今回は、ミニトマト「キャロルスター」の品種の特性や、収量アップのコツについて解説します。

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ミニトマト「キャロルスター」の特徴

ミニトマト「キャロルスター」の特徴

 

「キャロルスター」は、ミニトマトのキャロルシリーズの一つです。

 

「キャロルスター」サカタのタネから販売されているミニトマト品種

「キャロルパッション」は2014年に、サカタのタネより販売されている、ミニトマトの品種です。

比較的新しい品種で、最近のミニトマト農家の品種に求める特徴(高温下での栽培安定、耐病性など)を持った品種です。

 

 

「キャロルスター」は高温期の栽培に向く品種

キャロルスターは、高温期の栽培でも安定して着果する事、果実の色が均一につく事、裂果の発生が少ない事の理由で、暑い時期の作型に向く品種です。

 

高温期でも安定して着果する

ミニトマトの花粉は、気温15℃以下、35℃以上の条件で動きが悪くなります。

夏の時期の日中の温度は、35℃を超える事も少なくなく、特に、ハウスの中などでは40℃近くまで上がる事もあります。

このような、ミニトマトの着果に対して不利な条件でも、キャロルスターは、良質の花粉が生成され安定した着果が期待できます。

 

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高温期でも果実の色が均一につく

高温期のミニトマトの栽培は、花の開花後から収穫までの日数が短くなります。

果実の色も、短い日数でつき始めるため、果実全体への色のまわりが、じっくり時間をかけて行われなくなるため、きれいに赤くならない事や、色がつく前に熟してしまう事があり多いですが、キャロルスターは高温期でも均一に果実に色がつきます。

 

この品種の果実を見ると、一般的なミニトマトの品種とは違い、全体に白っぽい状態になり、果実の肩の部分の濃い緑の部分(ショルダーグリーン)が発生しない品種です。

着色不良になるほとんどの場合、この肩の部分が着色がスムーズに進まないため、この果実の特徴が、均一な着色に役立っています。

 

高温期での裂果が少ない

キャロルスターの独特の白っぽい果実は、果実の皮の柔軟性にも優れ、特に夏場の裂果の発生に耐える特徴があります。

 

高温期での軟果玉の発生が少ない

夏場の栽培は軟果玉の発生が多くなります。

キャロルスターの独特の白っぽい果実は、裂果に加え、軟果の発生も少なく、高温期の果実の障害の発生が少ないです。

 

茎の節間が短い

茎の節間が短いと、誘引(茎を固定)していく際に、生育に必要なハウスの高さが低くなり、決められたハウスの高さ(空間)で、より多くの段数を収穫する事が可能です。

特に高温期は、ミニトマトの生育が早く、茎の伸びるスピードも早くなるため、節間の短い品種は、夏場の栽培で多くの段数を収穫するのに有利な特徴となります。

 

 

「キャロルスター」は病気に強い

ミニトマトのキャロルシリーズの中で、特に病気に強い特徴を持つ「キャロルパッション」と同じ耐病性を持ちます。

葉かび病はもちろん、斑点病、根腐れ萎凋病への耐病性もすぐれ、多くの産地で栽培が可能です。

 

 

「キャロルスター」は高温期に長期の収穫が可能

キャロルスターは、他のキャロルシリーズのミニトマトに比べると、草勢が強くスタミナの続く品種です。

また、花の数は適度に収まり、着果の負担が比較的少ないため、この事も草勢の維持に役立ち、高温期での長期の栽培でも、株がバテにくく安定した栽培がしやすいです。

 

 

ミニトマト「キャロルスター」の栽培のコツ

ミニトマト「キャロルスター」の栽培のコツ

 

キャロルスターの特徴を生かす栽培をするためには、夏場の栽培で使用する事がオススメです。

 

「キャロル10」との使い分けの基準

「キャロル10」がキャロルシリーズの中で、最も多く栽培されている品種です(おそらく)。

キャロル10と比較して、どのような条件が「キャロルスター」剪定するものなるか解説します。

 

  • 高温期の栽培割合が多い作型での品種
  • 斑点病、根腐れ萎凋病の発生が問題となっている産地

 

「キャロルスター」の特徴は、なんと言っても、高温下での栽培性の高さ、収量の安定です。

生産供給量が落ちやすい、夏から秋にかけての時期に収量を確保したい場合は、キャロルスターの栽培が向きます。

 

また、キャロルスターの果実は、高温下での収穫後の、流通性(柔らかくなりにくく、日持ち性が良い)が良いため、業務加工用にも向きます。

このような特別な需要がある場合にも、向く品種です。

 

 

栽培管理のコツは草勢の維持

キャロルスターは、やや草勢が強い品種です。

キャロルシリーズ以外の、他のミニトマトの品種と比べると、大きく変わりませんが、キャロル10や、キャロルパッションの栽培性が優れる品種のつもりで、管理を行うと草勢が強くなりすぎて、生育のバランスを崩す場合があります。

 

そのために、定植後からの灌水量を多くするタイミング、追肥を開始するタイミングに気をつけて管理を行います。

 

キャロル10と比べると、花数は少ないですが、一般的なミニトマトに品種と比べると、多い品種になります。

そのため、その着果の負担に対応できるように、積極的に、灌水と追肥を行い、草勢が強くなりすぎないように中止して管理を行います。

 

 

ミニトマト「キャロルスター」の苗、種子の購入方法

ミニトマト「キャロルスター」の苗、種子の購入方法

 

ホームセンター等の家庭菜園用の苗の販売コーナーでは、「キャロルスター」の苗を見つける事は難しいと思います。

ネット通販の場合でも、苗での取り扱いがほとんどないため、キャロルスターを栽培する時は、基本的には自分で播種、育苗をする必要があります。

 

 

種子での購入方法

楽天サイト

サカタのタネ トマト キャロルスター 【PRIMAX】1000粒

 

以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。

とまと家・中島がお届けしました。

 

Happy tomating!!

 

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