トマトを栽培するといえば、やっぱり「アイコ」ですよね。
アイコの果実は、プラム型です。
この形がかわいいのですが、普通の丸い果実のミニトマトと比べると、栽培する時に何か注意したほうが良い事などありますか?
あと、美味しい果実を、たくさん収穫できるコツなどあれば教えてほしいです。
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、17年間トマト栽培を行っております。
国内の種苗会社や、農業生産法人で北海道を中心に海外も含め、トマト栽培やトマトの研究を行い、現在は札幌市でトマト農家をしています。
このブログでは、自分の栽培経験を生かし、生産者の方や家庭菜園の方の疑問、質問に答える形でトマトの育て方等と紹介しています。
アイコトマトは、種子が販売された当初から、とても人気にある品種ですよね。
家庭菜園での栽培はもちろんで、プロの生産農家でも栽培する方が多いです。
現在は、大玉、中玉、ミニ、アイコというように、ひとつの品種のカテゴリーとして扱われるほど、市場でも多く流通されています。
アイコはプラム型のかわいい外見と、濃厚な食味を持つ果実の特徴がありますが、
一般的な丸い果実のミニトマト(通称:マルミニ)に比べると、収量が上がりにくい品種です。
また、茎葉の生育は、節間(葉と葉の間)が長いなどの特徴があり、
多くの収量を出すには、誘引管理などを適正に行う事も重要になります。
今回は、このような特徴に対応し、最大の収量を出すために育て方のコツを中心に、アイコトマトの品種の特性や、収量アップのコツについて解説します。
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アイコトマトの品種特徴
今では、「アイコ」というトマトの品種名を、知らない人はいないのではないでしょうか?
それくらい、多くの人の生活の中にとけこんでいるトマトの品種です。
少し深掘りして、アイコトマトの特徴について解説します。
アイコはサカタのタネから販売されているミニトマトの品種
「アイコ」は2004年に、サカタのタネより販売されている、プラム型のミニトマトの品種です。
販売当時、日本には、あまり普及していないプラム型のミニトマトでしたが、
他のミニトマトよりも
- 厚い果肉
- 強い甘み
- 高リコピン含有
という特徴があり、登場後から、今でも人気が高いです。
アイコの最大の特徴はプラム型の果実
プラム型の特徴ある果実と、「アイコ」という、かわいらしい品種名が相まって、
食べる以外に、見ても「かわいい」トマトとして人気が出ました。
アイコの果実は、ゼリー部が少なく、果肉が厚いため、糖度が高く、トマトの味がとても濃厚で食味の特徴を持ちます。
また、プラム型の果実は、細長い果形で、
- 口に入れやすい
- 食べる際に果汁が飛び散りにくい
- 果実の皮が口の中に残りにくい
事も人気の理由です。
アイコは栽培性の良いトマト品種
アイコは、果実と茎葉の生育のバランスがとりやすい品種で、トマト栽培初心者の方にも向く品種です。
「アイコ」はそのような場合でもバランスをとり、順調に果実の生育が進みます。
アイコを開発、販売する種苗メーカーの「サカタのタネ」は、通常のミニトマト(丸い形の果実にミニトマト)の品種として、キャロルシリーズを販売しています。
アイコは病気に強いトマト品種
アイコは、葉かび病の抵抗性をもち、病気に強いミニトマトの品種です。
最近では、この葉かび病の強さは、特にプロの生産者に必要とされており、農家さんが栽培しているほとんどのトマトの品種は、この病気への抵抗性を持ちます。
アイコもこの病気への抵抗性を持っているため、プロの農家さんにも利用されております。
アイコは裂果に強いトマト品種
アイコの果実は、ゼリー部が少なく、果肉部が多い特徴をもち、果実の中の水分が少ないため、裂果のしにくい果実の構造となっています。
家庭菜園を行う露地栽培でも、、雨による裂果の発生が少なく、栽培が容易となります。
裂果の発生が少ないため、赤くなってからの収穫も可能で、その後の日持ちも良いです。
アイコは房どりが可能なトマト品種
ミニトマトや中玉トマトの品種で、商品価値を高める方法として、房どりがあります。
房どりの収穫方法は、房の根元から先までの、全ての果実を着色した状態で販売する事が必要で、
この収穫方法に向く品種選びと、栽培技術が必要です。
「アイコ」の花房は房どりに向く、1房あたり果実数の10〜15果になりやすく、裂果に強いため房どりを行いやすい品種です。
房付きトマトの収穫方法については、こちらの記事を参考にしてください。
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アイコトマトの育て方のコツ
アイコは、プラム型果実の特徴を持ちながら、優れた栽培性も持つ品種です。
この特徴をより生かし、収穫量を上げる育て方のコツを紹介します。
アイコは積極的な灌水、追肥を行う事が育て方のコツ
アイコの果実は、1果実重が18〜23g程度で揃いやすく、丸ミニの品種の10〜15g程度と比べると、
同じ果実数が実った場合、より着果負担がかかります。
そのため、
灌水、追肥の管理をしっかり行い、十分な草勢を維持する事で、全栽培期間を通して、高品質でたくさんの収穫をする事が可能となります。
すでに解説したとおり、
アイコの育て方は斜め誘引が向く
アイコは、茎の節間(葉と葉の間の距離)が長い特徴を持ちます。
そのため、株の背丈が高くなり、生育後半の管理作業が行いにくくなりやすいです。
斜め誘引についてはこちらの記事も参考にしてください。
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アイコの収穫作業は丁寧に行う事が重要
アイコの果実のヘタは、丸のミニトマトと比較すると、とれやすい特徴があります。
そのため、収穫する際はヘタと房の茎をつなぐ節(ふし)に手をかけて、丁寧に収穫の作業を行います。
収穫後の果実も、丁寧に扱い、持ち運びや移動中にヘタがとれないように注意しましょう
アイコトマトの苗、種子の購入方法
アイコは家庭菜園でも人気の品種のため、ホームセンター等の家庭菜園用の苗の販売コーナーなどでも、購入することができます。
ネット通販の場合でも、種子と苗の取り扱いが多い品種のため購入が容易です。
家庭菜園でも人気の高い品種で、単位での種子の販売もあるので、播種からのトマト栽培を行う場合にも向く品種です。
苗での購入方法
注文前に販売業者様への確認をお願いします。
種子での購入方法
これまでミニトマトのアイコの特徴、育て方のコツについて、解説しました。
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以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
Happy Tomating!!