トマトの糖度が上がるメカニズム【もしもカルピスだったら】

質問する人
甘いトマトを作りたいです。
有機肥料を使ったり、灌水の量を減らしたりして、糖度が上がるように栽培しているけど、なんだかうまくいきません。
どうして、うまくいかないのか原因を探ろうと思います。
そのために、どういう仕組みでトマトの糖度が上がるのか知りたいです。

このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。 この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。

高糖度トマトの栽培も行っており、トマトの糖度が上がるメカニズムについてもいろいろ調べました。

その内容について、自分なりに説明してみたいと思います。

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トマトの糖度が上がるメカニズム【もしもトマトがカルピスだったら】

トマトの糖度が上がるメカニズム【もしもトマトがカルピスだったら】

糖度の高いトマトを収穫したい!

トマトの栽培者であれば、誰でも思う事なのではないでしょうか?

トマトの糖度が上がる正しい栽培管理をするために、どのような仕組みで糖度が上がるのか解説します。

もしもトマトがカルピスだったら

トマトの糖度が上がる仕組みは、カルピスをイメージするとわかりやすいです。

カルピスの原液を渡されて、「これに水を混ぜて、甘いカルピス水を作ってください」と頼まれると、みなさんどのようにカルピス水を作りますか?

ほとんどの人は、カルピスの原液を多くいれる方法をとると思います。

はい、これで、甘いカルピス水が作れます。

もしも使えるカルピスの量が決まっていたら

では、すでにカルピスの原液が入った状態のコップを渡されて、「甘いカルピス水を作ってください」と頼まれるとどうするでしょう?

水の量を少なくして甘くする方法をとるでしょう。

はい、これで、甘いカルピス水が作れます。

トマトのカルピスはすでに決まっている

トマトの糖度の上がる仕組みも、カルピスの原理に近いです。

ここでは、カルピスの原液にあたるものを、トマトの「糖度の素」とします。

果実の中の糖度の素を多くすれば、甘くなります。

しかし、花が咲いている頃には、すでにその果実の「糖度の素」の量は決まっていて、その後の管理によって増やす事はできないのです。

この状況は、カルピス論で説明すると、原液量が決まっている状態なので、甘くするには、加える水の量を少なくする方法をとります。

トマトの場合で加える水の量を少なくするには、灌水量を減らす方法が一番有効です。

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トマトの「糖度の素」を増やすためには?

「糖度の素」のを多くする事は、果実内の細胞の数の多くする事として考えられますが、

糖度の素の量をコントロールするのは難しいです。

果実内の細胞の数は、その果実が収穫される約100日前の段階で、決定されます。

この時期は、果実の原型などは見ることができませんが、将来の果実の元は、トマトの株の中で出来ているのです。

このことを「花芽分化」といいます。

仮に、このようなトマトの生理生態の特徴がわかっていても、狙った段数の果実の細胞の数を多くする管理は、難しいです。

トマトは果実を連続的に収穫します。

1段目の最初の花の「花芽分化」が開始してからは、連続してその後の花も行われるため、どの段の果実でも良い条件になるように、全ての栽培期間で最善の管理を行う事で、「糖度の素」を増やす管理となります。

このように、「糖度の素」を多くする事は、難しく、はっきりとした効果を得るのが難しい事もあり、灌水量を調整する事で、糖度を上げる生産者の方が多いです。

トマトの糖度が高いほど、果実は小さくなる

カルピスの原液の量が決まっている場合、

甘くすればするほど、できあがるカルピスの量が少なくなります。

たくさん、カルピスを飲みたい場合は、味を薄くするしかありません。

甘くて、量の多いカルピスを作る事はできません。

トマトもこの原理と同じです。

糖度を高くするには、灌水量を減らして、果実への水分の供給を少なくし、果実内の「糖度の素」を濃い状態で収穫する必要があります。

そのため、

・大きい果実は、果実内の水分の量が多くて、糖度が低い、味が薄い
・小さい果実は、果実内の水分の量が少なくて、糖度が高い、味が濃い

となります。

上の項では、小さい果実は糖度が高い、味が濃いを説明しましたが、そうでない場合もあります。

糖度を上げる栽培管理をしていないで、小さい果実です。

もともとの果実の「糖度の素」が少なくて、ある程度の灌水を受けた果実だと、小さくても糖度が低い場合もあります。

フルーツトマトや、高糖度トマトの果実が小さい場合が多いですが、このようなトマトの特徴が関係しているからです。

高糖度のトマトに関してはこちらの記事も参考にしてください。
フルーツトマトは品種名?【スイートになる基礎知識も解説】

 

トマトの糖度を上げる栽培方法

トマトの糖度を上げる栽培方法

上の項ではトマトの糖度が上がるメカニズムについて説明しました。

解説のとおり、果実への水分の供給を少なくする事が、糖度を上げるには有効です。

では、実際の栽培の現場ではどのように、糖度を上げるための方法を行っているかを解説します。

生産現場で行われている、4つの高糖度トマトの栽培方法

主に生産現場で行われている、高糖度トマトの栽培方法を4つに分けました。

  • 灌水量の調整する
  • 専用の資材の利用
  • 塩類ストレスを利用
  • 接ぎ木の実施

灌水量の調整する

最もシンプルな方法です。

灌水の量を少なくして、トマトに水分ストレスを与え、高糖度化します。

安定した効果を出すには、天候やトマトの生育ステージによって、灌水量のコントロールが必要です。

専用の資材の利用

専用の水耕栽培用シートや、根域を制限するためのシートを利用します。

資材によって、根の量や、水分を吸収する方法を制限できるため、細かな灌水管理を行わなくても、高糖度化する事が可能です。

塩類ストレスを利用

主に塩を添加し、濃度の高い水で灌水をする方法です。

根の周りの状況が、塩類濃度の高い状態となり、浸透圧の原理でトマトの植物体内への水分の吸収が少なくなり、高糖度化する事が可能です。

接ぎ木の実施

ナスの台木品種に、トマトを接ぎ木して栽培する方法もあります。

トマトはナスに、親和性があるため接ぎ木を行う事ができます。

ナスの台木はトマトよりも、根からの水分吸収量が少ないため、穂木で使用しているトマト植物体への水分の供給が減り、高糖度化されます。

 

紹介したように、直接的な方法と、間接的な方法はありますが、どれも、トマトの植物体内への水分の供給を少なくし、高糖度のトマトの生産につなげています。

 

以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。

とまと家・中島がお届けしました。

 

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