いくら調べてもフルーツトマトという品種を見つける事ができません。
どのようにすれば、フルーツトマトの種を購入できますか?
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
フルーツトマトの栽培、生産も行った経験があります。
フルーツトマトは品種名?【フルーツトマトの基礎知識】
フルーツトマトという名前はよく聞くけど、この名前の品種の種子や苗を購入することはできません。
フルーツトマトという品種はありません。
「フルーツトマト」は品種の名前ではなく、商品名(ブランド名)です。
トマトを甘くなるように栽培管理し、販売者がフルーツトマトという商品として販売しても良いと判断されれば、それはフルーツトマトになります。
高知県の「徳谷トマト」
静岡県の「アメーラトマト」
などが、フルーツトマトで有名な商品(ブランド)です。
フルーツトマトの定義とは?
フルーツトマトとして販売する際の明確な基準はなく、各販売者の考える基準に準じていればOKとなります(もちろんある程度の品質でなければ評価を落とす要因となると思いますが)。
多くの場合は糖度8度以上の品質のトマトをフルーツトマト(高糖度トマト)として扱う事が多いようです(大玉トマトの通常栽培の糖度は5.5〜6.5度程度)。
また、現在では多くの産地、生産者によって高糖度の「フルーツトマト」が生産され、流通、販売されています。
そのため、今では、大玉トマト、中玉トマト、ミニトマトのように、フルーツトマトとして、トマトの品種の分類のひとつとしても扱われるようになっております。
フルーツトマトを生産するメリット、デメリット
糖度が高く、味が濃厚なフルーツトマト。
高品質なフルーツトマトが販売されている裏では、どのようなメリット、デメリットがあるのか紹介します。
メリット
- 糖度が高く品質の高い果実を生産できる
- 販売単価を上げやすい
- トマトの茎葉(株)の生育が傲慢になり、管理の手数が減り、栽培管理の作業量が減る
デメリット
- 収量が減る(トマトの生理生態)
- 栽培技術が必要となる(特に水管理がシビアとなり、枯死のリスクが高まる)
- 土耕栽培の場合、地下水位の高さなど、土地の条件によって、フルーツトマトの生産の向き不向きがでる
フルーツトマトに向く品種とは?
ここでは、
- 高品質かつ高収量にフルーツトマト生産を狙う、トマト農家向けのオスス品種。
- 簡単に確実に高糖度のフルーツトマトの収穫を行いたい、トマト栽培入門者向けのオススメ品種
を紹介します。
トマト栽培中級、上級者へのオススメフルーツトマト向き品種
「CF桃太郎ヨーク」(タキイ種苗)
・収量の多いフルーツトマトの栽培を行える。
タキイ種苗の品種カタログ等をみてもらってもわかるよう、この品種の大きな特徴は果実肥大の特性が強く、大きい果実になりやすい事です。
トマトを高糖度化する場合、糖度が上がればそれに反比例して、果実重は少なくなります。
品種特性として果実が大きいという事は、高糖度の品質にしつつ、収量を確保するなかでは、非常に大きなアドバンテージとなります。
また、葉カビ病の抵抗性もあり、病気に強い特性もあります(CFがつかない桃太郎ヨークもありますが、こちらはCF桃太郎ヨークに比べると葉カビ病への抵抗性が弱いので病気の発生が心配な方はCF桃太郎ヨークを選んでください)。
トマト栽培入門者へオススメするフルーツトマト向き品種
「フルティカ」(タキイ種苗)
1:安定して甘くなる
2:尻腐れの発生が少ない
1、大玉トマトを高糖度の栽培を行うと、尻腐れ果実の発生が多くなりやすいです。尻腐れ果は、果実が腐ってしまい、変形果や裂果などB品としても扱えなくなり、販売できなくなり、売り上げがなくなります。
僕も大玉フルーツトマトの栽培を行った経験がありますが、尻腐れ果の発生が多くなることが、一番難しくしている理由だと思っています。
2、中玉トマトを高糖度化する場合は、大玉トマトに比べると、尻腐れ果の発生は非常に少なくなります。
また、もともとの果実が小さく糖度も高いため、8度程度を越える果実の生産が大玉トマトよりも容易となります。
フルーツトマトと聞くと60〜90g程度の大きさのトマトを想像する方が多いかもしれません。
フルーツトマトが販売されるようになり始めた時の多くのトマトは、大玉トマトを高糖度化したものでした。
通常は200〜220g程度の果実を、水分ストレス等をあたえ100gを未満の果実に仕上げます。
フルティカは、中玉トマトの他の品種よりも、大玉になりやすい品種特性を持つため、大玉トマトで解説したように、高糖度化しても収量がでやすく、また、葉カビ病への抵抗性もありオススメです。