北海道で雨よけハウスで栽培していますが、無加温の栽培なので、そろそろ栽培を終えて、片付け作業に入ります。
出荷の伝票をもとに、収量を集計してみようと思うのですが、トマトの場合って、どのくらいに収量があれば良いとされるのでしょうか?
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
トマトの栽培の方針はいろいろあります。
食味を一番で考えるのか、有機栽培である事を一番で考えるのか。
最も多くの人が一番で考える方針が、収量ありきなのではないでしょうか?
今回は、トマト栽培の目安となる収量について解説します。
トマトの収量(10a)の目安は?
他の野菜同様に、トマトの収量の目安には「10aあたり」の基準が使われます。
10a=1反(たん)なので、反収(たんしゅう)○○トンと表現される事もあります。
では、現場では10aあたり、どの程度の収量が目安になっているのでしょうか?
トマトの収量は、夏秋の作型で10aあたり10トン(収穫期間3ヶ月)が合格点
今回は夏秋の作型の条件で解説しています。
3〜4月が播種期となり、7〜8月から収穫が始まる作型です。
これが、より促成に近い作型になると、同じ期間で比較する場合、トマトの収量が少なくなりやすいです。
気温、太陽光の条件がたくさんの収量を得るには不利になっていくからです。
10トンを合格点とする理由
しっかり栽培管理をしないと、出ない数字だから
基準の面積である10aで、トマトを栽培する場合は、栽植密度は2,000〜2,500株程度になります。
この栽培から10トンの収量を出すためには、適切に灌水して、適切に追肥して、適切なタイミングで栽培管理を行わないと、出すのが難しい数字です。
トマトの他にも、作物を栽培していて、ちょっと余裕のできた時間で、トマトの栽培管理をするような、片手間で行うとなかなか出ない数字です。
ちなみに、収穫した10トンのトマトが全て納品できて、1kgあたりの納品額が、300円だった場合、納品額が300万円となります。
10トンの収量の構成要素
10トンと聞くと、なかなかヘビーな数字でどのように、これだけの収量が出来上がるのか、イメージしにくいかもしれません。
では、1株あたりどの程度の収量を出すと、この8トンの収量が達成できるのか、またその内訳を解説します。
今回は、栽植株数を2,500株とします。
1株から4kg収穫する計算となります。
トマトの出荷には、4kgの箱が使われますので、1株から1箱分のトマトを収穫すれば良い事になります。
3ヶ月で収穫できる段数
夏秋の作型の場合、9段程度となります。
1段あたり、440gの果実を収穫すると、10aあたり10トンの収量となります。
180g程度の果実で、1段あたり2.5果分です。
このように考えると、だいぶ現実的な数字に見えてくると思います。
ミニトマトの収量(10a)の目安は?
栽培する品種が、大玉ではなくてミニトマトになると、目安の収量も大きく変わります。
ミニトマトの収量は、夏秋の作型で10aあたり7トン(収穫期間3ヶ月)が合格点
これまでに解説した大玉トマトの条件を、ミニトマトの品種にあてはめた場合、7トンを目安としています。
ミニトマトは、大玉トマトに比べ、収量を出すことが難しいです。
これは
収穫作業に手間がかかる
事が大きく関係しています。
ミニトマトの収量については、こちらの記事も参考にしてください。
ミニトマトを栽培している農家です。今年でミニトマトを栽培して2年になります。今は10月になり、北海道で雨よけハウスで栽培していますが、無加温の栽培なので、そろそろ栽培を終えて、片付け作業に入ります。今年度の栽培を振り[…]
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
happy tomating!!