先日スーパーで買った大玉トマトも、緑の部分が多かったです。
やっぱり、トマトは真っ赤な状態のものを食べたいです。
このような、緑色が残っているトマトも、購入後に追熟すれば赤くなりますか?
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、17年間トマト栽培を行っております。
国内の種苗会社や、農業生産法人で北海道を中心に海外も含め、トマト栽培やトマトの研究を行い、現在は札幌市でトマト農家をしています。
このブログでは、自分の栽培経験を生かし、生産者の方や家庭菜園の方の疑問、質問に答える形でトマトの育て方等と紹介しています。
確かに、秋〜春の時期は、果実全体がむらなく、きれいに赤くなっている大玉トマトを、見かける機会が少ないと思います。
これは、
輸送する際の温度が関係しているためです。
トマトの生産現場では、果実の一部が赤くなり始めたタイミングで収穫されます。
なぜなら、
収穫後に、選果、箱詰めされ出荷され、消費者が購入できる店頭に並ぶまでの3〜5日程度の間で、完全に赤くなるように流通させるためです。
特に冬場と、秋、春の時期は、その流通中の温度が夏に比べ、低くなるため、
収穫後に同じ日数が経過しても、完全に赤くならない果実も増えてしまいます。
店頭で、完全に赤くなっていないトマトを購入した後でも、
自分で追熟して赤くする事は可能です。
その場合、温度管理の方法など、きれいに、むらなく色をつけるには「コツ」があります。
今回の記事では、自分でトマトを追熟させるための方法について解説します。
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トマトの追熟方法
追熟を行う際に、最も大事になる事は、
温度の管理です。
トマトが赤くなるまでは常温で保存
トマトの鮮度を保って、長持ちさせたい場合は、冷蔵庫で保管するのが良いですが、
追熟させるには低い温度は向きません。
一般的な冷蔵室は5℃前後の場合が多いと思いますが、
この温度は追熟するには多くの時間が、必要となりかつ、着色にむらが出る事もあります。
ですので、
購入後は室温(なるべく温度の高い所[30℃程度を上限に])で保管して、
生産現場で収穫の目安となる、20%程度の色まわりの果実が、100%になるには、
- 20℃の保管で7日程度
- 10℃の保管で14日程度
- 5℃の保管で21日程度以上
が目安になります。
ミニトマトの場合は?
ミニトマトは、大玉トマトより収穫後の日持ち性が良いため、一般的に、周年を通して完熟に近い色周りで収穫されます。
最終的には、購入したトマトを確認する必要がありますが、
購入後すぐに冷蔵庫に入れても大丈夫なケースがほとんどです。
トマトを追熟すると美味しくなる?
色まわりが完全でないトマトを追熟すると、果実の色は赤くなり、違いを確認する事ができます。
では、食味に関してはどうでしょう?
収穫後に追熟させると、美味しくなるのでしょうか?
追熟しても、甘さ、酸味は大きく変化しません。
糖度や、酸度などの食味に関係するところの変化は、ほとんどありません。
よく、完熟させて収穫したトマトの味は全然違います。
完熟を待たずに収穫したものより美味しいです。
確かに食味は最高になりますが、
美味しく感じるのは、グルタミン酸による、旨味(うまみ)や、味の濃さのほうが、関係しているためです。
例えば、
同じ果実を、
- 20%着色
- 100%着色
で収穫するとします。
それぞれの糖度を、あくまでイメージとして説明すると、
- 20%→5.8度
- 100%→6.0度
という具合で、微増する程度の変化です。
酸味も、追熟することで、減ったり、増えたりはないので、トマトの食味に直接関係する要素は、大きく変わりません。
果実の色と硬さは確実に変わる
追熟することで、果実の硬さは柔らかくなり、食感に与える影響は大きいです。
果実の色が、100%に近づく事で、調理する際の見た目が良くなり、感覚的に食味に対して良い影響も期待できます。
トマトの追熟【ちょっと青いトマトが店頭に並ぶ理由】
この章では、どうして、時期によって、全体が真っ赤ではないトマトが店頭に並ぶのか?について詳しく解説します。
それは、トマトの生産現場での収穫方法が関係しています。
生産現場では、トマトが一部着色した状態で収穫している
消費者がスーパーなどでトマトを購入する時に、トマトが100%の色まわり(参考写真の4〜5)になるように、収穫後の流通が行われます。
収穫、箱詰め、出荷後から店頭に並ぶまでの、流通期間は、通常3〜5日間です。
そのため、収穫3〜5日後に100%の色周りになるように、
生産現場では20%程度(参考写真の2)色がついた時に収穫します。
100%の色まわりで収穫されたトマトを購入するのは難しい
これが一番美味しいトマトを食べる方法です。
しかし、一般の消費者がこのようなトマトを食べる事は難しいです。
生産者が、100%赤いトマトを箱詰めして出荷しても、
B品または、規格外品の扱いとなり、納品価格が低くなるからです。
納品価格が低くなるのは、
熟度100%の場合、3〜5日の流通期間が経ち、店頭に並ぶ頃には過熟の状態となり、商品価値をなくなるためです。
100%の色周りで完熟収穫されたトマトを食べるには
- 方法その①:トマトの農家さんにお願いして、完熟収穫トマトを分けてもらう
- 方法その②:直売所で収穫遅れとして、販売されている完熟トマトを見つけて購入する
- 方法その③:自分で家庭菜園としてトマトを栽培して、完熟のタイミングで収穫する
などの方法を行う必要があります。
このブログでは、トマトの栽培方法の記事を中心に紹介しています。
内容を参考にして、ぜひ、自分の育てた、採れたて熟度100%のトマトを食べる事を目標に、栽培にチャレンジしてください。
Happy Tomating!!
トマトの収穫後の追熟方法について、解説しました。
らでぃっしゅぼーや(定期宅配コース)
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
Happy Tomating!!