日中は地温30℃、夜間は地温20℃くらいで管理しています。
この内容で管理を続けると、何日後に発芽しますか?
管理する温度で、発芽までの日数は変わると思いますが、目安作り方などがあれば、それも教えてほしいです。
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、17年間トマト栽培を行っております。
国内の種苗会社や、農業生産法人で北海道を中心に海外も含め、トマト栽培やトマトの研究を行い、現在は札幌市でトマト農家をしています。
このブログでは、自分の栽培経験を生かし、生産者の方や家庭菜園の方の疑問、質問に答える形でトマトの育て方等と紹介しています。
トマトの種まきをした後は何だか緊張しますよね。
発芽すると、わかっていても、
やっぱり、しっかり芽が出揃うまでは心配になります。
トマトの発芽は、種が播かれている土の中の温度(地温)によって、必要な日数が大きく変わります。
例えば、
高い温度で管理すると、発芽が早くなり、低い温度だと遅くなります(適正な範囲内で)。
このように、種まき後からの地温の積算温度が大きく関係するのが、発芽の特徴です。
この事を利用する事で、温度と発芽までの目安の日数を作る事ができます。
この記事では、自分なりの基準をもとに、トマトが発芽する日数、その目安について解説していきます。
家庭菜園でトマトの栽培がしたいけど、畑が準備できない方は、レンタル式シェア農園の利用がオススメです(手ぶらで行けて栽培サポート付きです)。
トマトが発芽するまでの日数は?
トマトの種まきは、栽培環境、時期や種子の種類によって、条件が変わりますが、
その条件に関係なく、
播種後、発芽開始までの日数の目安の出し方を解説します。
播種後の積算地温100℃が目安
一定の地温の範囲内という条件が付きますが、
播種後、積算地温100℃のを発芽開始の目安にする事ができます。
一定に地温の範囲は、
例えば、
↓
3.3日後
↓
4日後
↓
5日後
というような目安です。
これらの目安は、培地の水分条件が適切な場合の目安になります。
地温の測り方
①棒温度計
地温を測るには棒温度計があれば大まかな変動はつかめます。
②最低最高温度計
最高温度と最低温度を記録してくれる(リセットするまで)タイプもあります。
特に最低気温はリアルタイムで把握しにくいため、よりこまかく地温の把握をしたい場合に向きます。
③データロガー温度計
データロガータイプのものは、測定した地温を記録する事ができ、積算温度の把握にも便利です。
ただ、機材が高価なため、①か②の準備で十分な場合が多いです。
ティアンドデイ 温度記録計 おんどとり(無線LAN) TR-71wb
プライミング処理の種子は発芽までの日数が短い
通常の種よりも、播種後、発芽しやすい状態になるように「プライミング処理」された種子があります。
この処理がされた種子は、通常のものよりも
- 発芽までの日数が0.5〜1.0日早くなる
- 発芽開始後の全体発芽揃いが良くなる
- 不良環境下での発芽向上が良くなる
というような特徴があります。
メーカによっては、トマトのプライミング処理された種子は、一般での販売がなく、受注販売のみの扱いになる場合もあります。
播種する際には、プライミング処理されたものかどうかを、確認する必要があります。
メーカーによって、処理の名前が違いますが、カタログや種子の袋を見ると簡単に確認できます。
サカタのタネ:PRIMAX
タキイ種苗:エクセルプライム
発芽完了と判断できる状態とは?
- 発芽率80%になるまで
- 最初の発芽から2日後まで
このどちらかの条件になるまでは、発芽完了とせず他の種の発芽を促すための、地温を高くする管理をします。
例えば、
発芽した後も、20〜25℃の高い夜温での管理を続けると、苗が徒長しやすいため、なるべく早い段階で夜温を下げるべきです。
しかし、全体の5%程度しか発芽が始まっていないタイミングで、下げてしまうとこれから発芽する種に影響が出てしまいます。
そのため、
地温の管理や、水分管理は、トレイ全体の苗の発芽が開始して、発芽が揃ってから、変更するほうが良い管理になります。
トマトの発芽まで日数の活用方法
播種後の発芽開始までの、目安日数がわかれば、それを基準に必要な管理の準備ができます。
では、どのように、この目安を苗の管理で役立てるべきか解説します。
被覆資材除去のタイミングの目安に
トレイに種を蒔いた後に、表面に被覆をする場合があります。
被覆の管理は、培土の水分の乾燥を防ぎ、灌水しなくても適湿な条件を保ち、地温の保温を行う効果もあります。
しかし、
発芽が開始した後も、継続して被覆を行っていると、苗が極端に徒長(茎が細く伸びすぎる)してしまいます。
苗の近くで、常時、状態を確認できれば、発芽開始と同時に被覆を取り除く事ができますが、頻繁に苗の確認ができない状況では、目安を基準に作業でき、役立ちます。
種子の皮かぶりを防ぐ目安に利用する
発芽後、子葉が展開する時に、種子の皮が、そのまま子葉についたままになる事があります。
そのままにしておくと、子葉がさけてしまったりと、小さな被害かもしれませんが、数多くの苗がそのようになっていると、気になります。
種子の皮と、中の苗との摩擦が少なくなり、皮が取れずそのまま地上部に持ち上がってしまいます。
そのため、
発芽が開始する時には、培土の、特に表面が適度な水分になっている事が大事です。
一番先の発芽を確認した直後のタイミングで、培土の表面を確認して、乾き気味であれば灌水しても効果がでますが、
皮かぶりが気になるようであれば、予定の発芽日の1日前に軽く灌水すると良いでしょう。
これまで、トマトの発芽に必要な日数について、解説しました。
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以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。