最近果実が赤くなってきて、収穫を楽しみにしていました。
記念すべき最初の果実なので、しっかり完熟させて、美味しく食べようと思っていたのですが、待っている間にカラスに食べられてしまいました。涙
果実が青い時は、全然近くに来なかったのですが、赤くなった時を待っていたかのように、トマトに寄ってくるようになりました。
トマト栽培で、オススメのカラスの対策の方法を教えてください。
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、17年間トマト栽培を行っております。
国内の種苗会社や、農業生産法人で北海道を中心に海外も含め、トマト栽培やトマトの研究を行い、現在は札幌市でトマト農家をしています。
このブログでは、自分の栽培経験を生かし、生産者の方や家庭菜園の方の疑問、質問に答える形でトマトの育て方等と紹介しています。
トマト栽培時のカラスの害は、突然やってきます。
自分で育てたトマトの試食第1号が、近所のカラスになってしまう事も少なくありません。。。涙
家庭菜園など、路地でトマトの栽培をする時には、特にカラスの害に注意が必要です。
カラスにトマトを食べられるのは、美味しいトマトを育てられている証拠でもありますが、しっかり対策して被害を無くしましょう。
最近は、カラス専用の防鳥資材も、多くの種類があります。
専用資材の使用で効果的に害を防ぐ事が可能です。
この記事では、トマト栽培時に知っておくと役立つカラスの特性や、カラス対策資材の使い方など、自分が悩まされていた時の経験も踏まえ解説します。
家庭菜園でトマトの栽培がしたいけど、畑が準備できない方は、レンタル式シェア農園の利用がオススメです(手ぶらで行けて栽培サポート付きです)。
トマト栽培でのカラスの特性
カラスは賢い動物です。
ちょうど食べ頃になってから、トマトを食べたり、関心させられるほどです。
カラスの詳しい特性は、専門家にお任せするとして、ここでは、トマト栽培の中でこれだけは、知っておきたいカラスの特性について紹介します。
カラスは飛びながらトマトを食べれない。
カラスは、
- パタパタと羽を動かして、飛びながらトマトを食べる事はできません。
- 地面や足を乗せておける場所に、身をおいている時にしか、トマトを食べません。
ですので、
カラス対策にも、いくつか方法がありますが、
1、2段目付近の果実を中心に行うと大きな被害を防ぐ事ができます。
カラスはトマトの場所を覚える
もし、自分の畑のトマトがカラスに食べられたら、被害はその時だけという事が少ないです。
カラスが美味しいトマトのある場所を覚えて、その後も同じカラスがやってきて、トマトを食べてしまうというケースが多いです。
しかも、カラスの友達を連れて食べに来ることもあり、やっかいです。。。
そのため、
- 一度、カラスの害が出たら、そのタイミングでしっかりと対策を行う
- 毎年カラスの害が出る畑の場合は、果実の収穫が始まる前のタイミングで、害がなくても対策を始める
事が大事です。
トマトのカラス対策で使用される方法
トマトに限らず、露地野菜の栽培では、カラスの対策はよく行われます。
どのような方法があるか紹介しましょう。
ハウスを利用する
プロのトマト農家さんは、ハウスを利用して栽培しますので、カラスに悩まされる事はほとんどありません。
家庭菜園用の簡易なハウスでも、効果は非常に高いです。
保温効果や、雨よけの栽培ができるので、カラス対策以外にもメリットが大きいです。
かかしの設置
これは、ザ・カラス対策です。
人間に見立てた、かかしを置くことで、カラスが近寄るのを防ぎます。
設置して何日間は効果が出ますが、カラスもすぐに慣れてしまいます。
CDをトマトの近くにつるす
CDやCVDなど、反射するディスクを、ある程度の間隔で設置します(30〜50株に1個を目安に)。
反射する光を嫌がって、カラスが近寄るのを防ぎます。
効果を出すには、細かく設置する事が必要。
カラスの死骸の模型をトマトの近くにつるす
カラスは仲間が死んだ場所に近づきたくない習性があり、その習性を活用しカラスの模型を死んだように畑につるす方法です。
50〜60坪の畑に、模型1体を目安に設置します。
設置後、この模型があることに慣れるまでは、畑に行くたびにびっくりするので注意が必要です。
カラスよけ(鳥よけ)のネットを張る
防鳥用のネットが販売されており、トマトの株にかぶせて利用します。
効果は高いのですが、ネットを張った後の管理を行いづらくなります。
トマトの株へ、べた貼りですと効果が出にくいので、支柱、アーチ等の資材で、ネットとトマトの株の間に空間をつくる方法がオススメです。
テグスをトマトの周囲に張る
安価で簡単に効果が高いため、オススメの対策方法です。
「テグス」は、釣りや、ハンドクラフトなどに利用される、ナイロン製の糸です。
透明の色の物が多く、張った状態でもカラスは気づく事が出来ず、引っかかってびっくりして、その場を離れるようになります。
支柱などを利用して、トマトの株と20cm程度の距離ができるように設置します。
釣り用のものでも、十分効果がありますが、カラス防鳥用のテグス資材も多く販売されています。
黒色のものや、糸が反射する用に加工されていて、透明のものよりも効果が期待できます。
カラス、野獣対策用の機材の設置
機材を設置した付近にカラスが近寄ってくると、カラスが嫌がる周波数の超音波や、音と光を出し、カラスを近づけない仕組みとなっています。
太陽光や、USBでの充電も可能なため、電源コード不要で露地の栽培でも使用しやすいです。
カラスが地面から近づくのを防ぐ
カラスの特性のところでも解説しましたが、カラスは飛びながらトマトを食べる事はできません。
そのため、トマトの株の近くの地面にカラスが着地できない事は、良い対策になります。
そのような効果を狙った資材もあります。少ない面積特にベランダ用として使用される事が多いものです。
トマトのカラス対策ではテグスがオススメ
僕は、前の項で紹介した方法を一通り、試しました。
その結果、トマト栽培のカラスよけでは、
テグスを利用する方法が一番オススメです。
その理由は以下のとおりです。
テグスがオススメの理由①:安価で設置が簡単で効果が高い
トマトの株数が多いと設置が大変になりますが、気をつける範囲は、カラスが足を地に下ろして届く範囲なので、1,2段目の果実の対策を行えば大丈夫です。
とはいえ、
一番効果の高い方法は、ネットを張る事です。
ただ、この方法はテグスを利用する方法以上に、設置に手間がかかることと、設置後の管理が非常に行いにくくなります。
例えば、
スイートコーンなど、管理は収穫のみというような作物は良いのですが、トマトのように頻繁に管理がある作物には、向きません。
ハウスは、家庭菜園レベルでは利用するのが難しく、CDと模型は、設置してからしばらくは効果がでますが、4,5日後には、カラスがその状況に慣れてしまいます。
テグスがオススメの理由②:景観を損なわない
これは、だいぶ個人的な意見ですが、トマトは見ても楽しむものと思っています。
キレイに育っているトマトの近くに、キラキラ光るCDや、カラスの模型や、ネットを設置する方法と比べると、
テグスの設置は対策の様子が目立たず、景観をくずさない方法です。
トマトの生育風景をキレイに楽しみたい方にオススメです。
カラスの対策について、解説しました。
らでぃっしゅぼーや(定期宅配コース)
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
Happy Tomating!!