正直、この方法の第一印象は「面倒くさそう。。」なんですけど、その分、収量が増えたりの効果があるものなのでしょうか。
トマトの連続摘芯栽培について知りたいです。
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
確かに、第一印象が面倒くさそうという気持ちは、わかります。
今回の内容となるトマトの「連続摘芯栽培」は「連続摘芯整枝法」とも呼ばれ、この名前だけで、面倒くさそうなオーラが出てますよね。
確かに、作業量が多くなる方法ですが、メリットもあります。
今回は、トマトの連続摘芯栽培について解説します。
トマトの連続摘芯栽培とは?
名前のとおりで、連続的に摘芯する事が特徴になる栽培方法ですが、どの程度の頻度の摘芯となり誘引の方法等はどうなるのでしょうか?
花房2段ごとに摘芯するのが基本
連続摘芯栽培にも、いろいろな方法がありますが、おそらく2段ごとに摘芯する方法が、一番メジャーなのではないかと思います。
今回は2段ごと行う方法で解説します。
摘芯のタイミングと頻度
通常のトマト栽培では、最終収穫予定となる段位の上の成長点を1回だけ摘芯しますが、連続摘芯栽培の場合、最終収穫段位ではない生長点を、栽培中の早い段階から摘芯を行います。
最初の摘芯は、2段目花房上の生長点
その後は、新しい主枝の2段目花房上の生長点として、主枝の更新ごとに行います。
主枝の更新の方法
それぞれの主枝の1段目の花房直下のわき芽を、更新用の主枝として利用します。
それ以外のわき芽は、取り除きます。
2段目ではなく、1段目下のわき芽を利用する事で、各段位果実の収穫時期を早め、誘引に必要な高さを最低限にする事ができます。
誘引の方法
更新後の主枝となる枝は、他の誘引方法同様に、支柱や紐を使って固定します。
摘芯後の枝は、その後果実が着果して重さがかかるので、自然な状態で下方向にぶらさげる感じで誘引します
トマトの連続摘芯栽培のメリット、デメリット
では、この栽培方法のメリット、デメリットを解説します
メリット
収量が安定して、収量が増える
収量が安定するというのは、どの収穫段位でも安定して収量を確保しやすい事です。
通常の栽培では、1〜3段の着果負担がかかる5〜6段上の果実は、着果が不安定になり果実数が少なくなったり、肥大が弱くなり収量の低下や、空洞果の発生が起こりやすいですが、連続的芯栽培の場合、収穫段位による収量の波が出にくいです。
その理由となっているのは、株につく葉の数の多さです。
通常の栽培方法の場合、各花房間の葉の枚数は3枚ですが、わき芽を使って主枝の更新を行うと、新たな枝の最初の花房までの葉の枚数が5枚となります(その後は3枚ごと)。
これにより、平均すると果実2段あたりの葉の枚数は、10枚となり草勢の維持が行いやすく、収量や品質の向上につながります。
デメリット
整枝作業が増える
2段ごとに摘芯の作業が必要になり、さらにわき芽利用により、葉の枚数が3枚から5枚となり、その分の芽かき作業も必要となり、整枝の作業が多くなります。
期間あたりの収量が減る
2段目から3段目、4段目から5段目というように、1段ごとに葉の枚数が5枚の展開となるため、その分収穫までの時間がかかります。
通常の栽培で例えると、各花房が4枚ごとにつくようなものです。
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。