ハウスの向きが決まっているので、それに合わせて畝を作っていますが、人によって、ハウスや圃場の形が違うので、いろんな方向の畝がありますね。
畝やハウスの方向によって、生育に関係する事について知りたいです。
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
畝やハウスの方向によって、少なからず生育に影響する事もあります。
ただ、もともとの圃場や、ハウスの建て方がベースになり、今の方法から変更するのは簡単ではないケースがほとんどだと思います。
ただ、方向によってどのような特徴があるのかを、把握できればそれに合わせた管理の方法をとる事が出来ますので、知識を得るだけでも役立つ事もあります。
今回は、トマト栽培での、ハウス、畝の方向(南北と東西向き)について解説します。
畝とハウスの方向と特徴【トマト栽培】
畝とハウスの方向を、東西向き、南北向きで設定する場合、それぞれ栽培の中でどのような特徴があるか解説します。
もちろん、南北、東西とぴったり方角が合うことは少ないと思いますので、近い条件を参考にしてください。
栽培畝の方向の特徴
畝の方向を変える事で、トマトの栽培に関係する重要なことは、光の当たり方です。
夏期は高い場所を太陽が通るため、均一に光りが当たりやすいですが、冬期は太陽が少ない角度で移動するため、光の当たり方が、畝の方向によって大きく変わります。
ここでは、光の当たり方がより関係する冬期を解説の対象とし、最も光りが強くなる正午の時間(南からの光)に重要性を持たせて解説します。
東西方向
南側の畝、条が良い条件となり、北側は日陰の条件となりやすい。
光のあたりが強い条は、条全体強く、北側にある条など、日陰の条件になる場所は、条の単位で同じ条件となる。
南北方向
東西の方向の場合は、畝、条が単位となって、光の当たり方の差が出ますが、南北方向の場合は、同じ畝や条の中で差が出やすいです。
南からの光が通路全体に均一に当たりやすく、地温の保温の面でも有利となる事がある。
ハウスの方向の特徴
ハウスの方向を変える事で、トマトの栽培に大きく関係する事は、換気によるハウス内環境の均一性です。
「南よりの風」、「北よりの風」というように、南北方向で、風が吹く事が多く、この風の方向を意識するとハウスの換気の方法にも関係します。
単棟(1棟だけ)よりも、複数のハウスを平行に設置している条件でより強く関係します。
東西方向
・ハウスの数が少ない場合は、換気の効果が高くなる。
南北方向
・ハウス内への風の移動は少ないが、
・平行する複数のハウスがある場合でも、全てのハウスで均一な換気がしやすい
畝とハウスの方向の使い分け【トマト栽培】
畝の方向、ハウスの方向は、南北、東西向き、どちらの場合でも、まず、長さがある方が、作業性が上がります。
理想の方向にすると、極端に畝の長さが短くなる場合は、無理にその方向にせずに、長い方向になるように設定して、作業性を優先する方が良い場合もあります。
ですので、ハウスや圃場の形をベースに設計する事が前提となりますが、南北、東西のどちらでも設定ができる場合は、下記の解説を参考にしてみてください。
畝の方向は南北方向がオススメ
南北方向の畝の特徴は、通路にも均一に光が当たりやすいことです。
この特徴があることで
- 地温の保温が良くなる→夜間のハウス内の気温の保持にもつながる
- 通路の乾きがよくなり、ハウス内の湿度を低く保ちやすい
ことにつながります。
南北方向のデメリットの解決方法
ある程度の長さがある畝の場合、灌水チューブを使用する灌水では、送水元側が灌水量が多く、送水先側が少なくなる事があります。そのような場合は、光の当たりが強い南側を送水元側にする事で、バランスがとりやすいです。
東西方向の畝の生かし方
南北方向の畝がオススメと解説しましたが、状況によっては、作業性等の関係で、東西の方向にしないといけない場合もあると思います。
東西方向のデメリットの解決方法
東西方向は、畝、条の単位で、光りのあたり方に差が出る特徴があります。
が良いです。
例えば、促成向けの品種は北側、夏秋向け品種は南側というにです。
品種の特性については、こちらの記事も参考にしてください。
ハウスの方向
ハウスの方向に合わせて、畝の方向が決まる事が多いのです。
ハウスを設置する際にどちらでも選択が可能な場合は、畝を設置した方向になるようにするのが良いです。
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
happy tomating!!