ハウスを使っていないので、雨の日は基本的に外で作業できません。
天気予報を確認すれば、だいたいの天気は予想できるので、前倒しでやったほうが、良さそうな作業は雨が降る前にしています。
とはいっても、芽かきくらいです。
雨が降る前に、特別行った方が良い作業って何かありますか?
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
露地でトマトの栽培をしていると、雨の天候は、トマトの生育や、管理する人の作業のスケジュールなどに、影響しますよね。
でも、場合によっては、トマトの生育にとって、プラスに働く場合もあります。
また、管理する人にとっても、外の作業ができないので、休みの時間をつくる良いきっかけになるかもしれませんね。
今回は、露地のトマト栽培で、雨の前にやるべき管理等について解説します。
トマト栽培で雨が降る前にするべき事
雨が降ると、畑の土の中の水分が増えます。
ある程度の量であれば、都合の良い灌水になることもありますが、必要以上の量の雨が降ると、トマトの生育に悪影響も与えます。
具体的には、どのような影響が考えられるか、対策と共に確認していきましょう。
完熟に近い状態の果実の収穫
収穫予定の果実に裂果が発生するのを防ぐために、通常の色周りより早めに収穫を行います。
土壌内の水分の量が、多くなると、裂果しやすくなります。
未熟な果実には、ほとんど影響しませんが、果実に色がつき始めて、完熟に近くなるほど裂果しやすいです。
雨が降る前に、土壌が乾燥しているほど、土壌内乾湿の差がつきやすく裂果の程度が強くなるので、晴天続きの後の雨が降るときは、裂果の発生に要注意です。
粒状肥料の追肥
追肥を粒状肥料で行っている人は、雨前に追肥(土壌内に肥料を施す)ことがオススメです。
粒状肥料は、水で溶けてからでないと、トマトが吸収できませんので、雨は、肥料を溶かしてトマトの使用しやすい状態にします。
通常の肥料は、畝内のトマトの根に近い場所へ、施す方法が一般的ですが、栽培後半など、トマトの根の範囲が大きくなったときに、通路にバラバラ肥料をまく、追肥の方法もあります。
この方法の追肥を行う時の降雨は、肥料を溶かしてトマトに吸収させるに役立ちます。
殺菌剤の散布
雨が降ると、土壌の水分が増えますが、空気の湿度も増えます。
湿度が増えると、病気が発生しやすくなるし、すでに発生している場合は被害が拡大しやすくなります。
雨が降り出すと、薬剤散布の作業ができなくなりますので、雨の前に行います。
トマトに発生しやすい病気や防除の方法については、こちらの記事を参考にしてください。
[sitecard subtitle=関連記事 url= https://tomato-power.com/tomato-cultivation-disease/
畑全体の排水対策
畝と畝の間の通路など、トマトの根がはっている場所に、長時間水が溜まる状況は、根痛みにつながるため、対策が必要です。
栽培する畑の条件や、その時の振る雨の量にもよりますが、栽培場所に水が溜まる程度の降雨が予想される時は、排水用の溝を作ったり、土のうなどの設置を利用して対策します。
トマト栽培で台風並みに強い風雨に備えてするべき事
前の項では、雨だけにポイントを絞って対策を解説しましたが、台風や低気圧の勢力が強い時は、強い風と共に雨が降る場合があります。
このような時に、降雨の対策に加え、どのような対策を追加すれば良いか解説します。
誘引の強化
露地でトマトを栽培する際の、茎の固定の方法は、支柱を使う事がほとんどだと思います。
茎と支柱の固定する箇所を多くしましょう。
あとは、支柱自体の固定の強度も強くすると、なお良いです。
支柱の強度アップはいろいろな方法があるので、工夫して行ってください。
暴風対策
トマトの株にあたる、風の勢いを弱める方法も効果的です。
防風ネットなどの、資材が販売されていていますが、ネットを固定する支柱とセットで利用する必要もあり、設置にはけっこう手間がかかります。
風雨後の、殺菌剤と葉面散布
これは、風雨前の管理ではないですが、関係する対策として重要なので、解説します。
風を伴う雨の場合は、トマトの茎葉が、強く、長時間揺られる場合があります。葉同士がぶつかり合い傷がつき、そこから病気発生んのきっかけになることもあります。
雨前の殺菌剤とセットで、風雨後の殺菌剤を行うと効果的な病害防除ができます。
また、風雨後の葉面散布もオススメです。
土壌の水分が多すぎる状態が、ある程度続くと根が傷みます。
そこで、葉から肥料を与える事で、根の働きが悪い状態でもトマトの生育を安定させる事ができます。
葉から肥料を与える葉面散布剤は、殺菌剤などの農薬を混用できるものが、ほとんどなので、殺菌剤の散布と同時に施す事ができます。
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。