お盆が終わって、ちょっと秋っぽい季節を感じる時期に、毎年発生しているような気がします。
なんだかトマトを栽培するといつもこの病気を見ます。
うどんこ病は、発生しやすい病気ですか?
オススメの対策の方法があったら、それも知りたいです。
このような疑問を、お持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、17年間トマト栽培を行っております。
国内の種苗会社や、農業生産法人で北海道を中心に海外も含め、トマト栽培やトマトの研究を行い、現在は札幌市でトマト農家をしています。
このブログでは、自分の栽培経験を生かし、生産者の方や家庭菜園の方の疑問、質問に答える形でトマトの育て方等と紹介しています。
たしかに、トマトの栽培の中で
うどんこ病は、発生しやすい病気のひとつです。
苗を植えて、栽培を始めて日数が立たないうちは、ほとんど発生しませんが、
株の中で果実が実る数が増えて、栽培日数が増えてくると発生しやすくなります。
他の病気に比べて、低い温度、低い湿度の環境でも発生しやすい特徴があるため、
夏の終わりから、秋の時期で目にする機会が多いのではないでしょうか?
1度発生すると、他の株へ感染しやすく、その後の治療が大変になるため、
発生初期にしっかり、対応することが重要になります。
この記事では、僕が過去に経験した事例などを参考にして、うどんこ病の特徴や対策について解説します。
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トマトうどんこ病の特徴
家庭菜園のトマト栽培の中で、最も発生しやすい病気は、「うどんこ病」といってもよいほど、栽培中によく見かける病害です。
どのような特徴や、発生しやすい条件があるか解説します。
発病時の特徴
発病時の特徴は、名前のとおりで、
葉にうどん粉が振りかけたようになります。
(とはいえ、普段うどん粉を見る機会ってないですけど、小麦粉的なものということでイメージしてます)
まだ、うどんこ病の被害を見たことがない方は、実際に発生している症状を確認すると、
どうして、「うどんこ病」という名前がつけられているか、納得できます。
最も発生しやすい部位は「葉」です。
ほとんどの場合、葉が発生元の部位となります。
病状が進み、被害が拡大すると、茎、果実のへたに発生する場合もあります。
発生しやすい条件
うどんこ病の発生しやすい条件は、大きく2つあります。
生育が弱く、草勢が落ちている時
果実が実り、肥大が進んでいくと、株にかかる負担が大きくなり、株がバテぎみの状態になります。
そのため、
生育の後半の時期で特に発生しやすいです。
うどん粉病に限らず、株がバテていると病気にかかりやすいですが、このうどん粉病は特に株の状態が関係しやすいです。
低い湿度の中でもよく発生する
多くの病害は、湿度が高い条件で発生が多くなりりますが、
うどん粉病は湿度の影響はうけにくいです。
天気が良くて、湿度が低い条件でも、全然発生して被害が大きくなっていきます。
葉カビ病との見分け方
うどんこ病は、発生してすぐは、白いうどん粉のような菌糸が目立ちますが、
数日時間が経つと茶色や黄色の病斑と変わっていきます。
このような状態になると、
「葉カビ病」の病状に似た状態となります。
一見すると、見分けがつきにくいですが、
また、最新の葉カビ病に耐病性のある品種を栽培すると、基本的には葉かび病は発生しないので、
まずは、
自分のトマトが、耐病性の品種なのかどうかを調べると、病気の判定に役立ちます。
トマトうどんこ病の対策方法
うどんこ病は、カビ(菌)が茎葉に発生する病気で、発生の初期であれば、対策の効果が出やすいです。
どのような方法が対策として効果的なのか解説します。
適正な灌水、追肥の管理を行い草勢を維持する
可能であれば、うどんこ病を発生させない事が一番の対策になります。
適正な灌水、追肥を行って、
十分な草勢を維持するだけで、発生のは少なくなります。
発生前から、予防のための薬剤散布の実施も効果がありますが、
まずは、灌水や肥料など、薬剤を使わない方法で予防しましょう。
病気がかかった葉を取り除く
発生初期の一部の葉にしか、病斑が出ていない時は、葉を取り除く対策もとれます。
病気にかかっている葉を1枚全てとらなくとも、
葉をちぎる感じで発生している部位だけでもOKです。
病気にかかった葉を全て取り除いた後は、殺菌剤を散布する事をオススメします。
発生が確認できるという事は、その先もしばらくは、病気が発生しやすい状態となるからです。
殺菌剤の利用
うどんこ病の、発生前の予防と、発生後の治療に
最も効果のある対策は、農薬散布です。
逆に最初の発生から時間が経つと、
近くの葉や茎に病気がどんどん移っていきますので、発生の程度が強くなり、農薬散布をしても治療しにくくなります。
また、農薬の散布をする時は、病気の病斑が発生している葉のみではなく、
株全体(病気にかかっていない葉も含めて)薬剤を散布する事がポイントとなります。
うどんこ病の予防、治療に効果のあるオススメの農薬
うどん粉病の治療に効果のある農薬は、たくさんの種類がありますが、オススメの薬剤2種を紹介します。
特徴
- ・散布後のトマトの株への進達性が良く、作業後の降雨の条件でも効果が高いです。
- ・うどんこ病以外にも適用病害の種類が多いため、1度の散布で多くの病気の予防、治療に効果が出やすいです。
対象作物 | 適用病害虫 | 希釈倍率 | 使用方法 | 使用時期 | 本剤の使用回数 | 散布液量 | イソピラザム(この薬の有効成分)を含む農薬の総使用回数 |
トマト、ミニトマト | うどんこ病、すすかび病、灰色かび病、葉かび病、輪紋病 | 1,000倍 | 散布 | 収穫前日まで | 3回 | 100〜300L/10a | 3回以内 |
有機資材の利用
有機栽培としてトマトを栽培していると、使用できる薬剤は限られてきます。
ここでは、「有機」表示のできる、有機農産物に使用できるオススメ薬剤を紹介します。
有機系の薬剤を利用しても、期待している効果が出ない時は、通常の薬剤の利用も検討してください。
特徴
- ・有機栽培で病害の防除によく利用される、炭酸水素ナトリウム(重曹)が有効成分
対象作物 | 適用病害虫 | 希釈倍率 | 使用方法 | 使用時期 | 本剤の使用回数 | 散布液量 | この薬の有効成分を含む農薬の総使用回数 |
トマト、ミニトマト(野菜類) | うどんこ病、灰色かび病 | 800〜1,000倍 | 散布 | ー | ー | 150〜300L/10a | ー |
特徴
- ・微生物が有効成分の薬剤
- ・病気が発生する前に散布することで、予防の効果を発揮する
対象作物 | 適用病害虫 | 希釈倍率 | 使用方法 | 使用時期 | 本剤の使用回数 | 散布液量 | この薬の有効成分を含む農薬の総使用回数 |
トマト、ミニトマト(野菜類) | うどんこ病、灰色かび病 | 1,000倍 | 散布 | 発病前〜発病初期 | ー | 150〜300L/10a | ー |
*使用方法は、散布の他にダクト内投入、常温煙霧があります。
詳しくはメーカーHP等をご確認ください。
トマトのうどんこ病の特徴と対策の方法について、解説しました。
らでぃっしゅぼーや(定期宅配コース)
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
Happy Tomating!!