大玉トマト栽培のコツ【適正な草勢判断と、1段目果実の管理です】

質問する人
新規就農して、トマトの栽培をしています。
大玉トマトをメインの作物としているのですが、何だか毎年の収量が安定しません。
まあまあ採れる時もあるんですが、年によっては、極端に少なくなったりです。
ちなみに、小面積で栽培しているミニトマトは、比較的、毎年、収量が安定しているのですが、大玉トマトが難しいです。
ざっくりの質問なのですが、大玉トマトの栽培のコツってなんでしょうか?

 

このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。

 

この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。

 

トマトは栽培期間も長いですし、こまめな管理が必要なため、良い栽培をするために、管理の要点をしぼりにくいと思います。

それぞれの栽培時期や、トマトの生育ステージごとに、栽培のポイントを把握する事も大事ですが、大玉トマトの栽培のコツというように、もっと大きな範囲でポイントになる事を意識して栽培することも重要です。

 

今回は、大玉トマトの栽培のコツを、2点に絞って紹介します。

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大玉トマト栽培のコツは適正な草勢判断にあり

大玉トマト栽培のコツは適正な草勢判断にあり

草勢判断は、トマトの株の勢いの状態を判断する事です。

判断の仕方を間違ってしまうと、その後の全ての管理に影響してしまうため、間違いのない判断をする事が重要です。

 

トマトの適正な草勢判断=ほぼ栽培成功

トマト以外のどの作物でも同じですが、栽培期間中、その作物にとって最適な栽培管理を行えば、良い結果が出ます。

毎日、作物の様子を観察して、その野菜が求む管理を行えば、良い結果が出ます。

 

しかし、実際に行っている管理が、その作物にとって必要でない、適切ではない内容だと、良い結果にはつながりません。

 

どのような管理が作物にとって、必要なのかを知るには、その作物のその時点の様子を、しっかりと把握する事が必要です。

 

トマトの栽培の中では、その様子を知るために草勢判断が行われます。

そして、実際のトマトの生育に応じた、草勢判断をする事ができれば、その時期に必要とする管理を行えるので良い栽培ができます。

 

 

草勢判断は目的ではなく、良い管理をするための手段

 

当たり前ですが、毎日、草勢判断するだけでは、トマトの生育は改善されません。

 

草勢判断は、トマトの生長点の様子や、葉の色や、茎の太さを見て、トマトの生育状況、株の勢いを判断する事で、その後の作業の事は、含まれないからです。

草勢判断して、今のトマトの状況がどのようになっているかを把握して、良い生育のために必要な管理を行う事が必要です。

というように、草勢判断は、その後の管理をセットで行う事で、始めてトマトに対して効果が現れます。

 

何か管理を行うと、それに応じてトマトが反応し、株の状態が変化するので、その状況の草勢判断をして、また、次に行うべき管理を決めてというように、毎日や数日に1度など、定期的に、繰り返しの作業と行います。

 

 

草勢判断と栽培管理を行い、目指す姿は「キープ、ザ、スマイルグリーン」

 

では、適正な草勢判断をするためには、どうすれば良いのか?という話になります。

そのためには、まず、適正な草勢の状況を知る必要があります。

 

今回、紹介する適正な草勢の状態は、

トマトの株が、

スマイルグリーン

の状態になっているという事です。

 

トマトの草勢判断は、いろいろな見方ができて、判断の仕方は無限です。

今回は、大まかな草勢の判断の方法として、この「スマイルグリーン」方式を紹介します。

 

 

大事なチェックポイントは、成長点の葉の様子で、中心に向かって緑の色が薄くなり、外の葉からグラデーションがかかっている状況になっているかでどうかです。

 

中心の葉の緑の色が薄くなるように、グラデーションがかかるのは、茎葉は伸びている証拠で、成長している証拠です。

この状態は、「スマイルグリーン」の状態と判断できます。

 

このグラデーションが出なくなるのは、生育量が少なくなっていると判断でき、株に勢いをつけるための管理が必要となります。

 

 

このように、トマトがスマイルグリーンの状態に、なっているか定期的(できれば毎日)に観察し、なっていなければ、灌水、追肥を行って株に勢いをつけます。

 

 

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大玉トマト栽培のコツは1段目果実の管理にあり

大玉トマト栽培のコツは1段目果実の管理にあり

前の項で書いたように、大玉トマトの栽培のコツは、適正な草勢判断と、その状況に応じた栽培管理です。

1段目の果実の管理の仕方は、草勢管理に大きく関係し、栽培管理を簡単にする事も可能です。

 

 

1段目果実を少なく、または、小さくする事で、適正な草勢管理が簡単になる。

前の項でも説明したように、株が十分な草勢でなくなったと判断する時に、灌水や追肥の管理を行います。

そして、灌水や追肥を行うほどに、結果適正ではない管理をして、トマトの生育バランスを崩すリスクが増え事もあります。

 

このように考える場合、草勢を落とさずにトマトを管理できれば、灌水、追肥の管理の頻度が減り、栽培が安定する事につながります。

 

そして、簡単に草勢を落とさないようにする方法は、果実による着果負担を少なくする事です。

栽培管理で、1、2段目の果実が小さめのサイズになっている時は、負担がかかりにくいですが、果房あたりのトータルの量を基準にして調整するほうが良いです。

 

着果負担を減らすポイント

・1段目、2段目を中心とした、低段の果実の負担を少なくする。

一般的なトマトの栽培を行う場合は、3段目の花が開花する頃から追肥をしたり、灌水量を多くします。

この時に、1,2段目に多くの果実があるほど、追肥、灌水の量を多くする必要があります。

 

・1、2段目の果房はそれぞれ、トータル500g分の果実重までとする

着果させる果実の数と、それぞれの果実の重さが負担の量となります。

1果房あたり500gを目安として、摘果を行います(もう少し多くても良いかなと思うかもですが、少なめがコントロールしやすくオススメです)

M玉で3果、L玉で2〜3果、2L玉で2果が、果実数の目安となります

 

以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。

とまと家・中島がお届けしました。

 

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