大玉トマトで高糖度栽培をしています。
糖度8度以上を目標に、水をしぼって管理しています。
だいたいは狙った糖度になるのですが、1果実が小さくなって収量が出ません。
糖度を上げる管理すると、収量が落ちるのは承知しているのですが、何か良い方法がないか探しています。
品種を変える事も対策のひとつかなと思っています。
高糖度栽培で収量を出しやすい、大玉トマトの品種で、なにかオススメのものはありますか?
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、17年間トマト栽培を行っております。
国内の種苗会社や、農業生産法人で北海道を中心に海外も含め、トマト栽培やトマトの研究を行い、現在は札幌市でトマト農家をしています。
このブログでは、自分の栽培経験を生かし、生産者の方や家庭菜園の方の疑問、質問に答える形でトマトの育て方等と紹介しています。
大玉トマトの高糖度栽培(しめづくり)なら、CF桃太郎ヨークがオススメです。
この品種はもともと、抑制の作型向けの品種として開発されていますが、果実の肥大力が高いという特徴を持ちます。
もともとの特性として果実が大きくなりやすいと、糖度を上げるために灌水量を減らして管理する「しぼり栽培」を行っても、ある程度の大きさ(果実重)を保つ事ができます。
通常の抑制栽培でも利用される品種ですが、高糖度の果実を安定して生産しやすく、高糖度栽培を行う生産者さんに、人気のある品種です。
また、低段からの肥大も良く、短期間の収量も上がるため、低段密植で行う栽培にも向きます。
他の桃太郎シリーズや、他のメーカーの大玉トマトと比べても、この品種ほどの果実の肥大力を持っているものはなく、重宝されています。
家庭菜園でトマトの栽培がしたいけど、畑が準備できない方は、レンタル式シェア農園の利用がオススメです(手ぶらで行けて栽培サポート付きです)。
「CF桃太郎ヨーク」の特徴
「CF桃太郎ヨーク」は、抑制栽培や、半促成の作型向けの「桃太郎ヨーク」に葉かび病(Cf-9)の耐病性を持たせて、に改良された品種です。
基本的な特性は両方の品種で大きく変わらず、CF桃太郎ヨークは葉かび病に強いため、最近ではこちらの品種が一般化しています。
「CF桃太郎ヨーク」を深掘りして、品種の特徴を紹介します。
「CF桃太郎ヨーク」はタキイ種苗の大玉トマト品種
「CF桃太郎ヨーク」は、2009年にタキイ種苗から発表された、大玉トマトです。
「桃太郎ヨーク」(CFがつかない)に、葉かび病(Cf-9)の耐病性を持たせた品種です。
品種名の一部に「ヨーク」という文字がつきますが、これは抑制の「抑(よく)→(ヨーク)」から来ており、主に抑制の作型向けの品種として開発されています。
「CF桃太郎ヨーク」の果実はよく太る
「CF桃太郎ヨーク」の一番の特徴は、果実の肥大力です。
草勢がおとなしめであるため、茎葉の生育より、果実の生育バランスが高くなるためと、考えられています。
他の桃太郎シリーズの大玉トマトが、200〜220gの平均1果実重に対し、CF桃太郎ヨークは220〜240gの平均1果実重となり、数字からもこの品種の肥大力の高さがわかります。
この果実の肥大力の高さから、収量を出しやすい品種で、通常の栽培はもちろん、高糖度栽培(灌水をしぼっても収量を確保しやすい)で多く利用されています。
また、低段果実でも肥大力が高く、短期間で収量を出しやすいため、1〜2段分の果実を収穫して、多くの作型を行う低段密植栽培にも向きます。
「CF桃太郎ヨーク」の草勢はおとなしめ
「CF桃太郎ヨーク」の草勢はおとなしめで、栽培管理しやすい品種です。
節間は短めですが、葉の大きさが小さめのため、株が暴れる(草勢が強くなりすぎる)事がなく、果実と茎葉の生育のバランスがとりやすいです。
この特性は、高糖度栽培でも役立ちます。
水を絞り、高糖度化すると、果実が小さくなり収量が落ちる事と同時に、尻腐れ果の発生が増えます。
この品種は、草勢がおとなしめで、葉の生育が強くないため、カルシウムが果実に運ばれやすく、尻腐れ果の発生が少なくなります。
「CF桃太郎ヨーク」の育て方のコツ
「CF桃太郎ヨーク」は高い肥大力の特徴を持ちますが、反面、着果負担がかかりやすく、草勢を落としやすいです。
灌水、追肥の管理を適正に行い、草勢維持する事が大事になります。
得意な作型は、抑制、半促成栽培
「CF桃太郎ヨーク」は、抑制、半促成栽培が適する品種です。
おとなしめの草勢と、小さめの葉の大きさの特徴が、低日照の環境下でも、安定した生育を可能にしています。
しかし、この品種は高糖度栽培にも向く品種のため、様々な作型で栽培される機会が多いと思います(高糖度栽培で収量出るのはCF桃太郎ヨークで一択のため)。
夏秋の栽培では、根の張りが弱くなり長期の栽培に向かないようになりますので、丁寧な栽培管理での対応が必要です。
草勢の維持を行う
「CF桃太郎ヨーク」を上手に栽培するには、草勢の維持が重要になります。
草勢がおとなしめで、果実肥大が良いため、本格的に果実の生育が始まると株への負担が大きくなります。
この品種の草勢維持のポイントは
- 基準の2割程度多めの基肥で圃場を準備
- 若苗で定植する
- 2段目開花期から、灌水、追肥を開始する
- 定期的な灌水、追肥の管理を行う(追肥は週1回行う)
また、短期間での収量が出やすく、長期の栽培は草勢維持が難しいため、6〜8段までの収穫のスケジュールにすると、栽培が安定しやすいです。
※高糖度栽培で行う際は、特別な栽培管理の技術となりため、一般的な管理とは別の方法となります。
「CF桃太郎ヨーク」の苗、種子の購入方法
CF桃太郎ファイトは、は、ホームセンターなどで、苗の状態で販売される事は少ない品種です。
そのため、ネット販売等で種子を入手し、種まきから栽培を開始する事が必要です。
種子の購入はネット販売で簡単に行う事が出来ます。
種子での購入方法
楽天サイト
タキイ種苗 トマト CF桃太郎ヨーク ペレット 2L 1000粒
Amazonサイト
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。
Happy tomating!!