わき芽が伸びてくると、無意識でとってしまうほど、当たり前の事になっているのですが、「何のためにやるかなって?」考えると答えに困ってしまったりしてしまいます。
基礎的なところから、芽かきについて勉強をしたいです。
このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。
この記事を書いている僕は、北海道を中心に海外含め、17年間トマト栽培を行っております。
確かに、芽かき、やって当たり前というイメージが強い作業だと思います。
ただ、あえてやらないでトマトの草勢管理をしたりする場合もあります。
今回は芽かきの効果や使い方のコツについて解説します。
トマト栽培で芽かきを行う理由
芽かきの作業を行っていると、「あぁトマトの栽培をしているなー」ってつくづく感じます。
それほど、トマト栽培では当たり前に行う作業です。
頻繁に行う作業だからこそ、その効果や効率的に行う方法を知る事が大事ですよね。
芽かきとはどういう作業なのか?
トマトの茎は、ある一定の間隔で葉をつけて、その葉のつけねから出る芽が、わき芽です。
そして、このわき芽を取り除く事を、「芽かき」や「わき芽とり」を呼んでいます。
芽かきと葉かきの違い
「芽かき」の管理と混同しやすい作業が「葉かき」です。
作業の名前の通りですが、
葉かきは、葉をとります。
では、「葉」と「芽」の違いですが、
葉は、1枚のみの葉です。
ですので、
それに対して、
出てすぐの「わき芽」を、とる時は、葉と芽の違いがわかりにくいので、注意が必要です。
芽かきと摘芯の違い
「摘芯」の作業も、芽かきと似た特徴があります。
ちょっとややこしい説明なのですが、
わき芽をとらずに、そのまま伸ばし続けると、もう一本トマトが誕生します。
そのトマトからは、同じように葉、花がつき、わき芽もでます。
言い換えると、通常「主枝」(わき芽を出す茎)と呼んでいる、メインの茎の先端は「わき芽」の素になっている「わき芽」といえます。
そして、主枝の先端の芽は「生長点」と呼ぶことで、「わき芽」を区別します。
生長点を取り除くと、その先に展開する葉、茎、花がなくなりますので、生長点を取り除く「摘芯」作業を行う事は、その先の成長を止める目的があります。
芽書きの作業の時に、わき芽と間違って「生長点」をとってしまうと、とった生長点以降の茎は伸長がなくなりますので、注意が必要です。
もし、間違って生長点をとってしまった場合は、その下の葉の付け根から、です「わき芽」を伸ばして、生長点の変わりにして管理を続けます。
芽かきを行うとどのようなメリットが生まれるのか?
芽かきをする事で得られる主な、メリットは以下の通りです。
- わき芽への養分の分散がなくなる
- 株の採光性が良くなる
・わき芽への養分の分散がなくなる
主枝の茎葉、花質、果実の充実が良くなります。
・株の採光性が良くなる
光合成の効率が良くなる、果実へ光りが当たりやすくなり、色周りが良くなります。
芽かきを、あえて行わない管理方法
発根を促したい場合
生長点の数が多くなると、それに応じて、根の動きが良くなるように考えられています。
定植後初期など、早く活着をしてほしい場合などは、あえて芽かきをせずに、生育が安定してから、わき芽を取り除くなどの方法を、とる場合もあります。
異常主茎を防ぎたい場合
ミニトマトの栽培で、発生しやすい障害で「異常主茎」(別名、メガネ茎とも呼ばれます)があります。
この障害は、根から吸った養分を、株の中でうまく消化できない時におこります。
発生のイメージは、うまく消化できない養分が増えすぎて、茎に障害を起こすため、うまく消化できない養分を、あえて残したわき芽に分散する事で、障害の具合を軽減させます。
2本仕立てする場合
1粒の株から、主で伸ばす茎を2本で管理する方法があります。
この方法は、主枝の他にもう一本、主として伸ばす茎が必要となり、わき芽を利用します。
トマトの芽かきの方法
芽かきを行うタイミングによって、作業の効率が変わり、トマトへの管理の効果も変わります。
適切な「芽かき」の方法を行い、最大限の効果を出しましょう。
芽かきの対象となるわき芽
・生長点とわき芽を見分けます。
先ほどの項でも解説しましたが、わき芽の見分けるなかで、気をつける点は、
生長点ではなく、わき芽
を対象として、取り除く事です。
芽かきを行うタイミング
わき芽が小さい時に行う方が、効果が高い
わき芽が小さいほど、芽かきの効果は高くなります。
しかし、小さすぎると作業を行いにくくなるため、作業の効率を考えると、わき芽が発生してすぐよりも、5cm程度まで伸びた時が、効果と作業効率のバランスの良いタイミングとなります。
芽かきを行うリミットのタイミング
わき芽が10cmを超すまでには、行います。
基本的には、はさみを使わないで手で、わき芽を折りながら取り除きますが、ハサミを使わないと採れないぐらいまで、伸びてしまうとタイミングとしては遅いです。
ただ、あえてわき芽を残す場合は、いろいろな実施のタイミングがあります。
花芽の下のわき芽は要注意
トマトの花房の下のわき芽は、他のものに比べると、特に伸びやすいので注意が必要です。
トマトの株の中では、花や果実の器官へ養分が移動しやすいので、その花に近いわき芽も、養分をもらいやすく生育が良くなります。
作業時はトマトのアクに要注意
わき芽の作業は、トマトの茎葉にさわる時間が、多くなります。
素手で作業を行うと、トマトのアクが手につき、洗っても落ちにくいので手袋をして作業する事をオススメします。
軍手など布製の素材よりも、ビニール製のほうが効果が安定します。
以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。
とまと家・中島がお届けしました。