「キャロルクイーン」の特徴【大玉狙いのミニトマト】

質問する人
ミニトマト農家をやっています。
今は、「キャロル10」をメインの品種で栽培していますが、ミニトマトのカタログを見ていると、地味に「キャロルクイーン」という品種を見かけます。
どのような特徴を持つ、ミニトマトなのか教えてください。

 

このような疑問をお持ちの方へ向けて、この記事を書きました。

 

この記事を書いている僕は、17年間トマト栽培を行っております。

国内の種苗会社や、農業生産法人で北海道を中心に海外も含め、トマト栽培やトマトの研究を行い、現在は札幌市でトマト農家をしています。

このブログでは、自分の栽培経験を生かし、生産者の方や家庭菜園の方の疑問、質問に答える形でトマトの育て方等と紹介しています。

 

キャロルクイーンは、糖度が高く、裂果に強い果実の特徴をもち、ミニキャロルよりも草勢がおとなしく、果実と、葉の生育のバランスをとりやすい品種です。

現在は葉かび病(Cf-9)の耐病性のある品種が、ミニトマトの産地では中心に使われていますが、それまでは多くの産地で利用されていました。

他のキャロルシリーズに比べて、1果実が大きいため、ボリュームのあるミニトマトを生産したい農家さんなどに人気のある品種です。

 

「キャロルクイーン」の特徴や、育て方のコツについて解説します。

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「キャロルクイーン」の品種特徴と育て方のポイント一覧

「キャロルクイーン」の品種特徴と育て方のポイント一覧

 

詳しい解説を行う前に、「ミニキャロル」の品種の特徴と、育て方の要点をリストアップします。

 

品種の基本情報

販売種苗メーカーサカタのタネ
メーカー小売り販売価格(2019年11月時点)約1,000粒1袋 23,210円(税込)
家庭菜園用の苗の流通少ない

 

果実の特徴

食味糖度高く良食味
1果平均重20g前後
果実の形豊円(果実の先がややとがりやすい)
1房の果実数10〜16果程度/シングル果房、30〜50果程度/ダブル果房
熟期※1早生
果実の硬さ※2普通

※1)熟期=開花〜着色(収穫可能時期)までの早さ(1.極早生→2.早生→3.中生→4.晩生、の順で早い)

※2)果実の硬さ(1.普通→2.硬い→3.とても硬い、の順で硬い)

 

生育の特徴

草勢普通
葉の大きさ小さい
節間中程度
病気の強さ葉かび病(Cf-9)に耐病性はない

 

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上手に育てる栽培管理のコツ

適する栽培作型夏〜秋の時期(5上旬〜6月下旬が定植の目安時期)
若苗定植できる
肥料(基肥)の目安:チッソ10〜12kg、リン酸:15〜20kg、カリ:15〜20kg
定植〜追肥開始時期までのの水管理通常量で行う
定植後追肥の開始時期3段目開花の頃
追肥の実施頻度週に1回(草勢が弱い時は2回)
1回の追肥量普通量で行う(1回の追肥量はチッソ成分で1kgが目安)

 

「キャロルクイーン」の品種特徴

「キャロルクイーン」の品種特徴

 

「キャロルクイーン」は、裂果に強く、糖度の高い果実の収穫が可能です。

草勢も中くらいでコントロールしやすく、大きめの果実が収穫できる品種です。

この章では、キャロルクイーンの詳しい品種の特性を深掘りし、紹介します。

 

「キャロルクイーン」は「サカタのタネ」から販売されているミニトマトの品種

「キャロルクイーン」は、種苗会社「サカタのタネ」から販売されている、ミニトマトです。

家庭菜園で人気の品種である「ミニキャロル」をベースに開発されており、同じキャロルシリーズの「ミニキャロル」は、草勢がやや強く、灌水のコントロールがしにくい露地栽培では、管理しにくい場面もありましたが、「キャロルクイーン」の草勢はおとなしく、管理しやすい特徴を持ちます。

 

 

「キャロルクイーン」の果実のサイズは大きめ

「キャロルクイーン」は、1平均果実が20g程度で揃いやすく、他のミニトマトの品種と比べると、やや大きめのサイズで収穫できます。

糖度の高さや、裂果の強さは、他の「キャロル」シリーズ並みとなります。

 

 

「キャロルクイーン」は草勢が中程度で栽培しやすい

「キャロルクイーン」は草勢が中程度で栽培しやすい品種です。

果実と、葉の生育のバランスがとりやすく、異常茎の発生も少ないです。

そのため、灌水のコントロールができない露地の栽培にも向き、家庭菜園の栽培でも利用が可能です。

ミニキャロルの栽培では、草勢が強くなりすぎる場合などは、変更する価値があるかもしれません。

 

「キャロルクイーン」の育て方のコツ

「キャロルクイーン」の育て方のコツ

 

キャロルクイーンを上手に栽培するには、主に、果実がやや大きめになること、草勢は中程度である事を意識して管理する事が重要です。

 

栽培する時期は夏期が向く

キャロルクイーンは、夏期の栽培、秋の栽培にも向く品種です。

葉の大きさが小さいため、日照が弱く、日照の時間帯が短くなる時期でも、栽培が可能です。

 

 

基肥の量は基準量が向く

キャロルクイーンの基肥の量は、基準値どおりの設計が向きます。

草勢が中くらいの特徴をもつため、やや多めの肥料でもバランスの良い生育が可能です。

 

畑準備の際の、基肥の量の設定は、それぞれの栽培環境によって、適正な量が変わります。

例えば、前作までの栽培状況(前の栽培での肥料が土に残っているかどうか)や、堆肥の利用があるかどうかなどです。

 

もし、これからトマト栽培の基肥の量を決める場合は、

チッソの量で、10aあたり10〜12kgを目安にすると良いかと思います。

 

若苗での定植が可能だが、着果促進は行う

キャロルクイーンは、若苗での定植が可能です。

これまで何度も説明したように、中くらいの草勢の特徴を持つためです。

 

1段目の花の着果促進の処理は、しっかり行う事が必要です。

着果負担をかけるためもありますが、キャロルクイーンは、1果実重が大きい分、全体の果実数は少なくなります。

開花後の、不着果があると、収穫量の減少につながりやすくなるため、トマトトーンの利用や振動受粉を行います。

 

栽培途中からの灌水と追肥も定期的に行う

苗の植え付けを行ってからの、灌水、追肥は定期的に行います。

果実と葉の生育のバランスがとりやすい品種で、異常茎の発生も少ないため、多めの灌水、追肥での管理も可能です。

 

 

「キャロルクイーン」の苗、種子の購入方法

「キャロルクイーン」の苗、種子の購入方法

 

「キャロルクイーン」は、農家さんなどプロ向けの品種として利用される事が多いため、ホームセンターなどで、苗が販売される事が少ないです。

そのため、種子で購入して栽培を始める事が必要となります。

 

種子の購入はネット販売で簡単に行う事が出来ます。

 

種子での購入方法

 楽天サイト

サカタのタネ トマト キャロルクイーン【PRIMAX】1000粒

 

 Amazonサイト

サカタのタネ トマト キャロルクイーン(1000粒) 

 

 

以上、「トマトがあれば〜何でもできる!」が、座右の銘。

とまと家・中島がお届けしました。

 

Happy tomating!!

 

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